四国をめぐる弘法大師ゆかりの霊場巡礼「お遍路」は、日本を代表する巡礼旅の一つです。
この記事では、全行程約1,450kmにも及ぶ四国八十八ヶ所巡拝の巡り方や「順打ち」「逆打ち」「乱れ打ち」などの呼び方の違いについて、初心者にもわかりやすくご紹介します。
四国八十八ヶ所のお遍路とは?
1200年以上前、弘法大師・空海が開いたとされる四国の霊場をめぐる巡礼旅が「お遍路」です。
八十八の札所(参拝寺院)を訪れることで、煩悩が消え、願いが叶うと信じられてきました。
各札所には番号がふられており、1番札所から順に巡るのが一般的です。
巡礼者は「打つ」という表現で参拝を表し、「1番札所を打つ」といった言い方をします。これは、かつて参拝の証として木札や金属札を本堂に打ちつけていた風習に由来するといわれています。
現在ではその名残として、名前や出身地を記した納札(おさめふだ)を札所に納める形が一般的になっています。
「四国八十八ヶ所」巡拝の順番に決まりはあるの?
札所には1番から88番まで番号が付いていますが、必ずその順番で巡らなければならないという決まりはありません。
出発点も終点も自由で、巡る方法にもさまざまなスタイルがあります。
巡礼を終えた後は、結願(けちがん)の地として「高野山 奥之院」での御礼参りを行うのが通例とされています。
順打ちとは?
巡礼スタイルの中でも最も一般的なのが「順打ち」です。
1番札所の霊山寺(徳島県)からスタートし、2番、3番……と札所の番号順に巡っていき、最終の88番札所・大窪寺(香川県)で結願を迎えます。
徳島(23ヶ寺)→高知(16ヶ寺)→愛媛(26ヶ寺)→香川(23ヶ寺)という時計回りのルートで進むのが特徴です。
道中の案内板や地図もこの順打ちに沿って設置されており、初心者でも進みやすい巡り方です。
逆打ちとは?閏年に3倍の功徳があると言われる理由
「逆打ち」とは、札所の番号を逆に、88番から1番へ向かって巡拝する方法です。
香川県からスタートし、愛媛、高知、徳島と反時計回りに巡っていきます。
逆打ちは順打ちに比べて道順が分かりにくく、体力的にも厳しいとされることから「功徳が大きい」と考えられています。
特に4年に一度の閏年(うるうどし)に逆打ちを行うと「3倍の功徳がある」と伝えられています。
この由来は、伊予の長者・河野衛門三郎が、20回巡っても弘法大師に会えず、21回目に逆打ちを選んだことで12番札所・焼山寺でついに出会い、許されたという逸話によります。
河野衛門三郎が逆打ちを行った年がちょうど閏年だったことから、3倍の功徳があるという言い伝えが生まれたのです。
その他の巡り方|乱れ打ち・通し打ち・区切り打ち・一国打ち
四国霊場巡礼には、順打ち・逆打ち以外にもさまざまな巡り方があります。
- 乱れ打ち:札所の順番にこだわらず、自分の都合で自由に巡礼するスタイル
- 通し打ち:すべての札所を一気に巡拝する方法。約40〜50日かかると言われています
- 区切り打ち:休みを活用して数回に分けて巡る方法。もっとも一般的で現実的な巡り方
- 一国打ち:四国を4県ごとに分けて、県単位で巡るスタイル
現代では、仕事や家庭の事情で長期の時間が取れない方が多いため、区切り打ちや一国打ちで少しずつ進める人が増えています。
実際の札所の分布と立ち寄りスポット
八十八ヶ所の札所は四国4県に以下のように分かれています。
・徳島県:1番~23番(23ヶ寺)
・高知県:24番~39番(16ヶ寺)
・愛媛県:40番~65番(26ヶ寺)
・香川県:66番~88番(23ヶ寺)
また、高知県・室戸岬近くには、弘法大師が修行中に悟りを開いたとされる洞窟「御厨人窟(みくろど)」もあります。
神聖な気に包まれた洞窟から、弘法大師が見たといわれる「空と海」をぜひ感じてみてください。
巡礼旅を快適かつ安心して進めるなら、クラブツーリズムのツアーを活用するのもおすすめです。
専門ガイド付きで、札所や参拝マナーの説明もあるため、初心者でも安心して巡礼できます。
公式サイトで「四国八十八カ所」と検索してみてください。
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まとめ
今回は、四国八十八ヶ所霊場巡拝の巡り方について、代表的なスタイルをご紹介しました。
- お遍路に決まった順番はない。自由なスタイルで巡ってOK
- 最も一般的なのは「順打ち」
- 「逆打ち」は功徳が大きく、特に閏年に注目される巡り方
- ライフスタイルに合わせて「区切り打ち」「一国打ち」などもおすすめ
- 巡礼後は高野山・奥之院への御礼参りを忘れずに
無理のないペースで、心と体を整える旅をぜひ始めてみてください。