京都屈指の紅葉の名所としても有名な「東福寺」の塔頭のひとつである「天得院」は、通常非公開の寺院ですが、年に2度、桔梗の花が咲く時期と、紅葉の季節に特別公開されます。
普段は入れない寺院で、ゆったりとお庭の景色を楽しむことができますよ!
今回は、天得院の初夏の特別拝観をご紹介します。
天徳院(てんとくいん)
天得院は東福寺の25ヶ寺ある塔頭の一つです。
南北朝時代の正平年間(1346~1370)「無夢一清(むむいっせい)禅師」によって開創され、東福寺五塔頭の一つとして隆盛を誇りました。
年とともに荒廃しましたが、「大機慧雄(だいきえゆう)禅師」により再興され、慶長十九年(1614)には「文英清韓(ぶんえいせいかん)」が住持となりました。
「文英清韓(ぶんえいせいかん)」は、豊臣秀頼の依頼により、方広寺の鐘銘を撰文した人物です。
この時の銘文中の「国家安康、君臣豊楽」の文字が、徳川家を呪うものであると徳川家康の怒りを招き、天得院は徳川家康によって取りこわされたと言われています。
この時の方広寺の釣鐘が、大坂の陣の発端になったと言われています。
詳しくは下の記事でご紹介していますので、読んでみて下さいね。
天得院の現在の堂宇は、天明九年(1789)に再建されたものです。
その後、明治元年(1868)に、本成寺と合併し現在に至っています。
“桔梗の寺”初夏の特別拝観
天得院は、通常非公開の寺院です。
初夏と秋に開催される「特別拝観期間」にのみ一般公開されます。
お庭には、約300本の桔梗が植えられていることから「桔梗の寺」としても知られています。
初夏の特別拝観は、例年6月下旬から7月上旬の桔梗が最盛期を迎える頃に行われます。
枯れ山水庭園は、桃山時代の作とされています。
杉苔に覆われた庭に約300本の桔梗が咲く様子は、見ごたえがあります。
この桔梗は、作庭された頃から植えられていたといわれ、寺紋も桔梗となっています。
四季折々の花の寺として親しまれています。
【2023年初夏の特別拝観情報】
期間:2023年 6月25日(土)~ 7月18日(月・祝)
時間:9時〜16時00分(16時30分 終了)
拝観料:一般500円 小中学生300円 未就学児無料(保護者同伴に限る)
その他:抹茶とお菓子 800円(税込)
御朱印:期間中限定御朱印授与あり(書き置きのみ)
※状況等により変更・中止となる場合がございます。事前にHP等でご確認の上お出かけください。
【天得院】アクセス基本情報
【天得院】基本情報
住所:京都府京都市東山区本町15丁目802
電話:0755615239
HP:https://tentokuin.jp/
アクセス:京阪電車、JR奈良線「東福寺駅」から徒歩約7分
市バス「東福寺」から徒歩約7分
※通常非公開です