九州福岡の夏が活気と熱気に包まれる、夏の祭と言えば「博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)」です。
博多祇園山笠は、福岡の中でも歴史あるお祭りで、「博多どんたく」、「放生会」と並んで、博多三大祭りの一つに数えられています。
今回は、博多祇園山笠をご紹介します!
その歴史や、見どころ、日程なども、ご紹介するので、参考にしてくださいね!
目次
博多祇園山笠の歴史
博多祇園山笠は、700年以上前から続く歴史あるお祭りです。
今では、国の重要無形文化財に指定され、2016年には、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
“博多祇園山笠”発祥の地「承天寺(じょうてんぜんじ)」
博多祇園山笠の発祥には諸説ありますが、1241年(仁治二)年、博多に疫病が流行し、「承天寺」の開祖である聖一国師が、祈祷水を撒いて町を清め、疫病退散を祈願したのが起源とされています。
寺院の入り口に「山笠発祥之地」の石碑もあり、承天寺は、現在もお祭りの「清道」と呼ばれる大切な場所になっていて、山笠が博多の街を走り抜け、承天寺前の細い道をぐるりと巡ります。
こうして、その歴史は受け継がれています。
【承天寺】アクセス基本情報
住所:福岡県福岡市博多区博多駅前1丁目29−9
電話:0924313570
アクセス:博多駅より徒歩約8分
「承天寺」の開祖である聖一国師は、後に京都の紅葉の名所としても有名な東福寺を開山した方です。
また、うどん、そば、羊羹、饅頭などの製法も最初に伝えられた場所とも言われています。
博多駅からも歩いて行ける場所なので、博多祇園山笠の発祥の「承天寺」にも是非足を運んでみてはいかがでしょうか?
博多総鎮守「櫛田神社」の奉納神事
博多祇園山笠の発祥の「承天寺」ですが、現在の祇園山笠まつりは、「櫛田神社(くしだじんじゃ)」の奉納神事になっています。
博多祇園山笠が奉納される神社で、通常は追い山笠の終了とともに山笠を解くのが決まりなのですが、櫛田神社の境内には、例外としてお祭りの期間以外に訪れる観光客が見られるよう、飾り山笠が6月を除き一年中展示されていて、記念撮影の人々で賑わっています。
櫛田神社は、商店街の側にあり、地元の方からも愛されるいつも賑わう神社です。
節分の前後に鳥居に設置される大お多福面も有名ですよ!
【櫛田神社】アクセス基本情報
住所:福岡県福岡市博多区上川端町1−41
電話:092-291-2951
参考HP:https://hakatanomiryoku.com/
アクセス:地下鉄「祇園駅」から徒歩約5分
博多祇園山笠の見どころ
博多祇園山笠は、毎年7月1日から15日の期間開催され、絢爛豪華な飾り山笠が、市内10数箇所に立ち並び、観客を魅了します。
祭り後半には、重さ1トンもの舁き山笠が町中をに疾走、そして15日の早朝4時49分、七基の舁き山笠が、5キロ先にある回り止めを目指し駆け抜ける「追い山笠」で祭りのクライマックスを迎えます。
博多祇園山笠の見どころといえば、何と言っても博多祇園山笠のフィナーレを飾るこの「追い山笠」です。
追い山は、早朝に開催されるにもかかわらず、舁き手が7000人以上、観客も300万人を超えると言われ、たくさんの人を魅了します。
実際に山笠が走る姿を見られる7月12日「追い山馴らし」、7月13日「集団山見せ」、そして7月15日「追い山笠」は、特に人気です。
迫力満点のスピード“博多祇園山笠” 昔は疾走してなかった!?
現在の山笠は、「速さ」を競い疾走しますが、実は江戸時代初め頃の山笠は、わりとのんびりした巡行だったと言います。
昔の花笠は、豪華な山を舁いて練り歩き、山笠人形師の技が光る、山の出来の良し悪しを競っていたのだそうです。
技や豪華絢爛さを競っていた山笠が、速さを競うようになったのには、理由があります。
1687年(貞享4年)に、その年の3番山笠の「土井流」が昼食をとっていたところ、4番山笠の「石堂流(現在の恵比須流)」が、「土井流」を追い越してしまったのです。
なぜこのようなことが起きたのかは、櫛田神社の記録に残されています。
記録によると、追い越しが起こる前に「土居流」の人が、「石堂流」の人にささいな悪ふざけをしました。
その悪ふざけへの仕返しに追い越しをしたようです。
石堂流は追い越し返そうと必死で追いかけ、追われることになった土居流も負けじと走ります。
いつもはゆったりと巡行する山が、勢いよく疾走する様子に観客も沸き立ちました。
その年を境に博多祇園山笠の様相は変化し、これが博多祇園山笠が「速さ」を競うようになった起源だと言われています。
博多祇園山笠まつり日程
7月1日飾り山笠一般公開
7月1日開幕
1日から8日までの間はいわゆる「静の期間」、まずは博多部を中心に合計14の飾り山笠が公開されます。
この期間の楽しみは、絢爛豪華な飾り山笠を見物しながら、博多の街を散策です。
7月9日お汐井取り
9日は、全員参加でのお汐井取りが行われます。
各流ごとに集合し「お汐井道」と呼ばれる小道をたどり、一路箱崎浜を目指します。
筥崎宮を参詣、そして櫛田神社を参詣します。
7月10日流舁き(ながれがき)
いよいよ「動の山笠」の始まりです。
最初の「山舁き(やまかき)」となる7月10日の「流舁き(ながれがき)」です。
この日の舁山は、流区域のあちこちを舁き回ります。
7月11日「朝山笠」「他流舁き」
「朝山笠」で山笠はスタートします。
早朝5時、日がまだ昇っていない博多のあちこちから「おっしょい」の声が響きます。
そして、朝山笠が終わった12時間後、自分の流域外に出て他の流の流域に舁き入れる「他流舁き」という行事が行われます。
「陣中見舞い」的な意味合いが込められ、お互いに敬意を表す行事なのだそうです。
7月12日追い山笠ならし
名前の通り、15日の「追い山笠」の予行演習のような行事です。
でも、時間とコース距離が若干短い以外は、すべて本番同様に行われ、本気で山笠を舁く様子を見ることができます。
7月13日集団山笠見せ
舁き山笠は博多部で行われますが、この「集団山笠見せ」が博多部を超えて福岡中心部に渡る唯一の日のです。
その名の通り、7つの流すべての舁き山笠が一堂に福岡市役所前の桟敷席を目指します。
7月14日流舁き
祭りのフィナーレ前、最後の「流舁き」は、千代流と東流を除く五流が夕方に行います。
自分たちの流域を走るのもこの日が最後となります。
7月15日追い山笠
いよいよ博多祇園山笠のクライマックス「追い山笠」です。
午前4時59分、一番山笠が櫛田入り奉納を皮切りに、7つの舁き山笠と1つの飾り山笠が櫛田入りを行い、博多の街へと駆けだます!
櫛田神社周辺では、山笠が次々に神社に入り、夜明けの博多の街へ出ていくのを見ることができます。
熱気を一番感じることができますが、そのぶん見物客もすごい数です。
ちなみに、追い山ならし・追い山ルートマップを下のページで詳しく確認できます!