京都市伏見区の京阪電鉄京阪本線「淀駅」この辺りは、その名の通り「淀(よど)」と呼ばれる地区です。
この淀駅から歩いて3分ほどの場所に「與杼(よど)神社」が鎮座しています。
與杼神社の字には、常用漢字ではない「與」という文字が使われていますが、常用漢字で表すと「與=与」のため与杼神社と書きます。
今回は、京都市伏見区の「與杼神社」をご紹介します。
最寄り駅の淀駅には、京都競馬場があり重賞レース開催日には多くの人で賑わいます。
また淀城跡や緑豊かな公園もあり、自然に包まれて癒される場所になっていますよ!
與杼(よど)神社
與杼(よど)神社は、京都府京都市伏見区淀本町に鎮座しています。
千観内供という僧侶が応和年間(961~964年)、肥前国に鎮座していた「與止日女神社」から勧請し、淀大明神として祀ったのが始まりと社伝には記されています。
ただ、応和年間より遡る「延喜式」神名帳や、さらに古い「三代実録」貞観元年(859年)正月二十七日の条にも與杼神社の神に関しての記載があるため、社伝の100年以上前には祀られていたのではないかと考えられます。
與杼神社は、かつては山城国紀伊郡水垂村の桂川の右岸に鎮座していました。
しかし、明治三十五年(1900年)に桂川の河川改修工事に伴い現在地に遷座されました。
以前與杼神社が鎮座していた場所は、現在は桂川の川底になっているようです。
與杼神社参拝
與杼神社は、京阪淀駅の南西250mほどの場所にある淀城跡に鎮座しています。
ちなみに、京都競馬場の反対側になります。
鳥居は境内の東端に南東向きに建っています。
参道の左右は駐車場となっていて、車で訪れてもパーキングに困ることはなさそうです。
参道を進むと石垣が積まれてあり、左右に一対の大きなイチョウが立っています。
木の上の方で、葉が重なり合って、なんとの良い感じです。
このイチョウ「契(ちぎり)のイチョウ」と呼ばれ、神社が遷座する前からこの地に立っていたといわれています。
高さは約16mと、樹高も高く立派なイチョウの木で、両イチョウの間には注連縄が渡され、注連柱としての役目も担っています。
夏に訪れると、上の写真のように青々とした爽やかな姿で、紅葉のシーズンに訪れると、鮮やかな黄色に色づいた姿を見せてくれます。
拝殿は、慶長12年(1607年)の建築で桃山建築の特徴の見られる貴重な建築として、国指定重要文化財となっています。
後方に本殿が建っています。
本殿も拝殿と同年代の建立で同じく国重文に指定されていたのですが、残念なことに昭和50年(1975年)に中学生の花火が原因の火災で、焼失してしまいました。現在の本殿は昭和55年(1980年)に再建された建物です。
稲葉神社
與杼神社の南側に隣接して「稲葉神社」が鎮座しています。
稲葉神社は、淀藩主だった稲葉家が祖である稲葉正成を祀っている神社です。
稲葉神社の南側には淀城の石垣が積まれていて、公園にもなっていて緑豊かな場所で鳥のさえずりと気持ちの良い風を感じることができます。
淀は、桂川、宇治川、木津川の三川が合流し淀川となる地域で、古代から淀の津と呼ばれ、水路と陸路の交差点として栄えていました。
室町時代に淀古城が築かれ、豊臣秀吉が淀殿(茶々)の産所として城を改修しましたが、鶴松が病死したため廃城としたと伝わっています。
淀城図を見ると、昔は淀川から水を引き、幾重にも堀が廻らされていましたのがわかります。
【與杼神社】アクセス基本情報
【與杼神社】基本情報
住所:京都府京都市伏見区淀本町167
電話:0756312061
HP:http://www.yodojinja.com/
アクセス:京阪電車[淀駅]より徒歩約4分
京阪電車の淀駅と言えば、京都競馬場を思い浮かべる方も多い駅です。
京都競馬場は、2020年第4回京都競馬以来、開催を休止し整備工事を行っていて、2023年4月22日にグランドオープンしました。
2025年に京都競馬場開設100周年を迎えるのだそう!
スタンド改築、馬場改修、厩舎改築を含めた施設全体の整備を行ったので、とってもきれいです!
重賞レース開催日ではない日に訪れると、芝生でランチをしたり、のんびりと過ごす方もたくさん居ました。
與杼神社参拝の後は、新しくなって目に眩しいグリーンを見に京都競馬場に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
でもせっかく競馬場に行くなら、20分ほど京阪電車に乗って移動して馬の神社として有名な藤森神社を参拝した後の方がオススメですね!
京阪沿線沿いには、紅葉スポットとしても有名な東福寺もあるので、京阪電車で神社仏閣めぐりをするのもオススメですよ!