「薬の町」として知られる大阪北浜の周りは、オフィスビルが立ち並ぶ大阪のビジネス街です。
そんなビジネス街のビルの谷間に、医薬の神として知られる「少彦名神社」があります。
今回は、大阪のビジネス街・北浜と少彦名神社についてお届けします。レトロかわいいカフェもご紹介します!
北浜ってどんな街?金融と薬の街・北浜を歩く


北浜は、大阪市中央区に位置する歴史と経済が交差するエリアです。
証券取引所がある金融街として有名ですが、実は「薬の町」としての歴史も深いのです。
北浜の成り立ちと「船場」の歴史
北浜1〜2丁目周辺は、江戸時代から続く歴史ある町名。かつてこの地は「船場(せんば)」と呼ばれ、大阪商人の中心地として栄えました。
船場は、薬種、繊維、小間物、両替などの業種が専門ごとに町を形成。中でも「道修町(どしょうまち)」には薬業者が多く集まり、今でも大手製薬会社の本社が立ち並んでいます。
道修町の神農さん「少彦名神社」
「薬の町」として知られる北浜の道修町(どしょうまち)、そんな場所でビルとビルの谷間に、医薬の神として知られる少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)は鎮座しています。
地元では「神農さん(しんのうさん)」とも呼ばれ親しまれています。
日本の薬祖神である少彦名命(すくなひこなのみこと)と、中国医薬の祖神・神農炎帝(しんのうえんてい)をご祭神としています。
医薬の神を祀る「少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)」
ビルの狭間に現れる神社――それが「少彦名神社」。薬の町・道修町にふさわしく、医薬・健康・病気平癒の神として篤く信仰されています。
地元で親しまれる「神農(しんのう)さん」
地元では「神農さん」の愛称で親しまれるこの神社。ご祭神は、日本の薬祖神・少彦名命(すくなひこなのみこと)と、中国医薬の祖・神農炎帝(しんのうえんてい)です。
少彦名神社の由緒と「張子の虎」
江戸時代、道修町に集まる薬種仲間が、京都・五條天神社より少彦名命を勧請。以来、薬の安全と業界の発展を願い、多くの人々に信仰されてきました。
特に有名なのが「張子の虎」。文政5年の疫病流行時に配られたこのお守りは、今も毎年11月22・23日の「神農祭」で授与され、多くの参拝者で賑わいます。


少彦名神社の参拝方法と見どころ


高層ビルに囲まれ、まさに「都会のオアシス」とも言える少彦名神社。
鳥居は通りから少し奥まった場所にあるため、見逃さないように「張子の虎」の看板を目印にしましょう。


鳥居をくぐると正面に拝殿、左に社務所、右に御神木や手水舎があります。
また、参道入口の右側には道修町が舞台となった谷崎潤一郎の小説「春琴抄」の碑があります。
境内には「くすりの道修町資料館」もあります。
【少彦名神社】アクセス基本情報
地下鉄堺筋線の北浜駅の6番出口を出て徒歩5分かかりません。
駐車場はありませんので、お車の方は近くのコインパーキングに駐車しましょう。
また、大阪市内の大通りは、ほとんどが一方通行で、この神社前の道も西行きの一方通行になっています。
大阪市内の移動には、公共交通機関利用をおすすめします。
レトロかわいい!北浜の洋館カフェ『北浜レトロ』


北浜はビジネス街だけじゃない!もうひとつの魅力は、レトロな洋館が点在するおしゃれエリアとしての一面です。
中でも人気のカフェが、1912年築の洋館を改装した紅茶専門店『北浜レトロ』。
イギリスのティータイムを味わえる人気店


土佐堀通り沿い、中之島公園のすぐそばに位置する『北浜レトロ』は、文化庁登録有形文化財にも指定された趣ある建物。外観も内装もレトロかわいく、まるで異国のような世界観です。
2階は喫茶スペースとなっており、川沿いの景色を眺めながら、上質な紅茶とケーキを楽しめます。


1階では、紅茶やスコーン、焼き菓子などのテイクアウトも可能。平日でも満席になるほどの人気ぶりです。


このお店を教えてくれたのは、実は40代の男性。「平日昼間にひとりで行く」とのこと。男女問わず、美味しい紅茶とスイーツが好きな方にはぜひ訪れてほしい一軒です。
北浜をぶらり街歩き:バラ園や公会堂も必見


北浜周辺には、川沿いの散策路やバラ園、大阪市中央公会堂や適塾など、歴史ある建築物が多く残っています。
緑と文化が融合したこの街は、仕事帰りのひとときや、週末の街歩きにもぴったり。レトロな建物と新しいカフェの融合を楽しみながら、北浜の魅力を存分に感じてください。