まとめ・雑学

商売繁昌祈願「十日戎」とは?大賑わいで有名な神社もご紹介!

新年に商売繁盛や開運招福を願って祈願する「十日戎(とおかえびす)」は、関西を中心に西日本で初詣より賑わう神社もあるほど親しまれているお祭りです。

今回は、十日戎について由来や開催期間、縁起物「笹と吉兆」について、また商売繁盛祈願・十日戎に行くならオススメの神社をご紹介します。 

関西を中心に西日本で盛んなお祭りなので、東日本ではあまり耳にしたことがない方も多いのでは?東日本に十日戎はあるのか?についても解説します。

十日戎(とおかえびす)とは

十日戎とは、七福神のえびす(戎)様をまつるお祭りです。

えびす様は、漁業や商売繁盛をつかさどる神様、そのえびす様に今年も一年、商売や仕事がうまくいくように祈願するのです。

えびす様は、古くから庶民のあいだで「海(漁業)」の神、市場の神として信仰を集めていました。

室町時代になると、インドや中国から渡ってきた神様とともに、七福神の1柱として福の神となったと言われています。

十日戎の由来

十日戎の由来には諸説あります。

物の売り買いがされるようになり経済が発達していくと、農家の人たちも穀物など以外もので食い扶持を稼ぐ人たちが出てきて、福の神である「えびす様」のご利益を信仰する人が増えていき、そのうち商人の家ごと、同業者ごとにえびす様をまつる「えびす講」という行事が生まれました。

そして、江戸時代になると商業の中心地として栄えていた阪神地域で、古くから恵比寿様をまつる「西宮神社(兵庫県西宮市)」や「今宮戎神社(大阪市浪速区)」が、商売繁盛の神として信仰を集めるようになり、そこで行われるえびす講は「十日戎(とおかえびす)」としてに賑わうようになったと言われています。

十日戎はいつ?

十日戎は、一般的に1月9日~11日の3日間です。

このうち、9日を宵戎(よいえびす)、10日を本戎(ほんえびす)、11日を残り福といいます。

11日までの3日間、境内では「商売繁盛、笹もってこい」のかけ声が飛び交い、鯛や小判などの飾りをつけた縁起物の福笹や熊手を買い求める参拝客であふれ、正月の風物詩となっています。

十日戎の縁起物「福笹」と「吉兆」

十日戎の縁起物として「福笹」は欠かせません。

竹には神霊が宿ると信じられていて、さまざまな神事に使われるようになりました。

笹は、常に青々とした葉をつけているところに、繫殖力が強く「いのち」を生み出し続ける生命力の強さ、その逆境にも負けずに茂る姿が、神々のご神徳によって、日々「いのち」が甦り、生成発展している姿を象徴していて、困難に負けず努力する商売人のあり方に重ねられてきました。

また、笹が恵比寿様の釣り竿に似ていることから、「福笹」が十日戎では縁起がいいものとなっています。

かつては、参拝客が笹を持参して、神社で小判や金づちを模した飾りをつけてもらっていたのだそうですが、今は神社で初穂料を支払い福笹を授与いただきます。

福笹を手にしたら、笹を飾り付けます。

縁起物の「小宝(子宝)」である、鮑熨斗(あわびのし)、 銭叺(ぜにかます)、銭袋、末広、小判、丁銀、大福帳、烏帽子、臼、打ち出の小槌、米俵、鯛などが一つに集まっている縁起物を吉兆(「きっちょう」または「きっきょう」)と言います。それぞれ「野の幸」「山の幸」「海の幸」を象徴しています。

ちなみに、この小宝にはひとつひとつ意味があります

鮑熨斗(あわびのし)・鯛は「大漁祈願」、小判・丁銀・銭袋は「財運」、末広は扇子のことで末に広がることから「めでたい」、打ち出の小槌は「願いが叶う」、米俵は「五穀豊穣」、烏帽子は「成長・昇進」など、それぞれに色々な意味が込められています。

福笹につける「小宝(子宝)」選びは、いろんなものがいつにまとめられた吉兆も良いですし、自分が祈願したいことを中心に好きなものをえらるのもいいですよ!

十日戎の縁起物はどこに置く?

商売繁盛の祈願して手にした福笹ですが、家に持ち帰って次の十日戎までの一年間、どこに置いておくのが良いのでしょうか?

ご利益のために縁起物を正しく祀る方法も押さえておくことが大事ですよね。

福笹は、基本的に家の神棚に飾るのが理想的です。

とは言え、神棚がない家もおおいですよね。

その場合は、目線よりも高い場所で、方角は東向きもしくは南向きに飾り、清潔に保ちましょう。


福笹だけではなく、お札など納める場所にいつも迷っているという場合は、これを機に神棚を設置するものありかもしれませんね。

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西日本で盛んな「十日戎」は東日本にはないの?

関西では100万を超える人出で賑わう「十日戎」ですが、関東ではほとんど耳にすることがありません。

いったいなぜなんでしょうか?

実は恵比寿様をおまつりする慣習は、関東以北にも「えびす講」というかたちで執り行われれいます。

どの地域にいても商売繁盛を願う気持ちはあって当然ですよね。

十日戎の由来でもお話しした「えびす講」は、関東以北でも各地で古くから行われていました。

なかでも、商人たちは商売繁盛を願う気持ちの強さからか、地元のえびす講だけではなく、遥々、商業の中心地として栄えていた阪神地域の西宮神社まで参拝していたそうです。

そうして信仰は年々高まって、明治34(1901)年に西宮本社からの分霊し「桐生西宮神社」が開かれ、えびす講が行われています。

桐生西宮神社のえびす講は、西日本も十日戎と違って、農産物の収穫が終わる11月20日に行われます。

今では、福を求めて「桐生西宮神社」にお参りする人の数は、毎年20万人を超え賑わいます。

桐生西宮神社の他にもえびす講が行われているのですが、東日本では「えびす様」を祀っている神社自体が少ないこともあって、西日本ほど有名ではないのかもしれません。

ちなみに、関東には十日戎と同じく熊手などが販売される「酉の市(とりのいち)」と呼ばれる年中行事がありますが、十日戎とは逆に関西では酉の市は聞きなじみがない行事です。

商売繁盛「十日戎」に行くならここ!おすすめ5選【関西】

それではここで、

「十日戎に行くならここ!」と言える、商売繁盛と福を求める参拝者で熱気あふれる神社を5社ご紹介します!

十日戎はやっぱり「日本三大えびす神社」へ

まずは日本三大えびす神社の十日戎がオススメ!

「日本三大えびす神社」とは、兵庫県西宮市にある西宮神社、大阪市にある今宮戎神社、そして京都市にある京都ゑびす神社です。

三大えびす神社がすべて関西にあることからも、十日戎が関西中心の年中行事であることがうかがえますね。

日本三大えびす神社の十日戎は、人で溢れ、その賑やかさと掛け声、熱気に包まれて、気分がどんどん上がっていきますよ!

えびす神社の総本社|西宮神社【兵庫県】

全国に約3,500社あるえびす神社の総本社「西宮神社」の十日戎の楽しみと言えば、福男選びです。

十日戎に聞きなじみがなくても、朝から「今年の福男」を紹介するニュース映像が流れるため福男選びは聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

福男選びが行われるのは、本戎の1月10日午前6時からで、男女問わず参加可能なので、体力と早起きに自信のある方は参加してみてはいかがでしょうか?

西宮神社について詳しくはこちら


100万人越えの賑わい|今宮戎神社【大阪市】

西宮神社とならんで、昔から商業の中心地として商売繁盛を願う参拝者で賑わっていた今宮戎神社は、お正月「初詣」の参拝者数は5万人ほどなのに対して、「十日戎」の3日間の参拝者数はなんと100万人!

十日戎の参拝者数が初詣の20倍という賑わいを見せます。

その活気に満ちた境内の様子を体感すると、この一年活力に満ちたいい年になる気が湧いてきますよ!

今宮戎神社について詳しくはこちら


京のえべっさん|京都ゑびす神社【京都市】

最後の1社は、京都の花街の中にある京都ゑびす神社です。

京都ゑびす神社の十日戎「十日ゑびす大祭」は、例年1月8日~12日の5日間開催されます。

一般的には、3日間開催で9日を宵戎(よいえびす)、10日を本戎(ほんえびす)、11日を残り福ですが、京都ゑびす神社は8日招福祭、9日宵ゑびす祭、10日十日ゑびす大祭(初ゑびす)、11日残り福祭、12日撤福祭になっています。

京都らしい特徴もあって、10日の初ゑびすには東映女優さんからの福笹の授与の時間帯があり、11日の残り福には祇園町と宮川町の舞妓さんの奉仕による福笹の授与の時間帯がありますよ!

京都ゑびす神社について詳しくはこちら


他にもある十日戎が有名な神社

関西には十日戎で賑わう神社がたくさんあり、大阪市内などは会社帰りに会社の社員を引き連れて参拝する姿なども多く、夜遅くまで大賑わいです。

「宵戎にするか、やっぱ本戎でしょ、それとも残り福をいただきに行くか」と、十日戎開催中の3日間、ウキウキ感が漂っている感じです。

日本三大えびす神社の3社に行かなくても、十日戎が賑わう有名な神社を2社ご紹介します。

キタのえべっさん|堀川戎神社【大阪市】

日本三大えびす神社のひとつに数えられている「今宮戎神社」が大阪のミナミにあるのに対し、大阪のキタにある堀川戎神社は「キタのえべっさん」と呼ばれて親しまれ、「ミナミの今宮、キタの堀川」と並び称せられる神社です。

普段は静かでひっそりとしている境内ですが、十日戎の日には参詣客が境内に入りきらないほどの賑わいを見せます。

アクセスがいいのも嬉しいポイントですが、もう一つ日本一長いアーケードの商店街「天神橋筋商店街」へも歩いてすぐなので、参拝後に散策すると楽しいですよ!

堀川戎神社について詳しくはこちら


祇園のえべっさん|北向蛭子社【京都市】

八坂神社の境内末社「北向蛭子社」のえべっさんです。

日本三大えびす神社のひとつに数えられている「京都ゑびす神社」から歩いて15分ほどなので、両方いけるのもオススメポイントです。

祇園のえべっさんは、ご紹介した他の十日戎と違って1月9~10日の2日間なので、注意してください。

1月9日の15時からは、八坂神社楼門石段下から四条烏丸までを「えびす船」の巡行が見られるので、時間を合わせて行くのもオススメです!

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