北野天満宮と言えば、全国におよそ12,000社ある菅原道真公をお祀りする天満宮の総本社です。
そんな北野天満宮の前身と言われる天神信仰発祥の神社が、京都駅から歩いて行ける場所にあるのをご存じでしょうか?
今回は、北野天満宮の前身で天神信仰発祥の神社「文子天満宮」をご紹介します。
北野天満宮の前身・天神信仰発祥の神社【文子天満宮】の由来
北野天満宮の前身で天神信仰発祥の神社と言われる神社は、「文子(あやこ)天満宮」です。
文子とは、御祭神である道真公の乳母であった、「多治比文子(たじひあやこ)」のことです。
道真公は、無実の罪で大宰府に左遷され、失意のうちに亡くなります。
道真公の没後、文子に「右近の馬場(現在の北野天満宮あたり)に社殿を建ててまつれ」とお告げがありました。
しかし当時、文子には社殿を建てる力がなかったため、自分の家の庭に小さな祠を建てて道真公を拝んでいました。これが文子天満宮の起源といわれています。
その後、北野天満宮が創建されました。
いまや日本三大天神とも称される「北野天満宮」が創建されるきっかけをつくったのは、道真公の乳母・多治比文子だったということです。
このような由来から、文子天満宮は「北野天満宮の前身神社」と言われ、「天神信仰発祥の神社」と位置づけらています。
【文子天満宮】見どころ
JR京都駅から北に歩いて10分ほどの場所にあるため、賑やかな場所かと思いきや、住宅街にある小さな神社はひっそりとしています。
鳥居をくぐって目の前の「文子殿」には、菅原道真公と多治比文子が祀られています。
「文子殿」の右手には、多治比文子像があります。
多治比文子という女性は、日本婦人の美徳を備えていたとも称され、巫女さんだったと言われ、文子(ふみこ)さん、あやこさんなど、名前に「あや」が入っている人の守り神としても崇敬されているのだそうです。
ちなみに、名前に「あや」又は「文」が、入っている方が会員になれる「全国文子会」もあるそうですよ。
本殿の奥には、道真公が太宰府へ左遷される際に立ち寄り、腰掛けたといわれる「腰掛石」があり、上にはたくさんのお賽銭が置かれていました。
境内には商売繁盛にご利益があると言われる「白瀧稲荷大明神」も鎮座しています。
小さな境内ですが、御神木である相生の木がたっていて、良縁成就、夫婦円満のご利益があるとされています。
【文子天満宮】アクセス基本情報
【文子天満宮】基本情報
住所:京都府京都市下京区天神町400
電話:0753610996
HP:http://ayakotenmangu.or.jp/
アクセス:京都駅から徒歩10分、地下鉄五条駅から徒歩5分
2023.3現在
文子天満宮は、住宅街に鎮座する小さな神社です。
専用の駐車場はありませんので、公共交通機関を利用するか、お車の場合はコインパーキングを利用してください。
最後に、文子天満宮は今回ご紹介した下京区を含めて、上京区の「文子天満宮舊址(あやこてんまんぐうきゅうし)」、北野天満宮の境内末社、左京区と、京都市内に4ヶ所あります。
どのような歴史があって4ヶ所も創建されたのか、興味深いですね。