京都市北区に鎮座する「上賀茂(かみがも)神社」、正式名称「加茂別雷(かもわけいかづち)神社」は、京都の都を守る神として深い崇敬を集めてきた神社です。
現在では、京都の観光スポットとしても有名、また神前挙式も人気の神社となっています。
今回は、そんな上賀茂神社で毎年5月5日に行われる伝統行事「加茂競馬(くらべうま))をご紹介します。
上賀茂神社の境内では、3月から加茂競馬(かものくらべうま)のための乗馬練習も行われているので、練習風景も動画でお届けします!
上賀茂神社|5月5日開催「加茂競馬(かものくらべうま)」
上賀茂神社の御祭神の加茂別雷大神は、「葵楓の蔓や走馬をかざり祀れば姿を見せよう」というお告げをしたと言われています。
そのため、神社の神紋は「葵」で、境内のいろんな場所で「葵」を目にすることができます。
そしてもう一つ、数頭の馬を競い走らせました。
これが、加茂競馬の起源とも言われています。
現在の加茂競馬は、「京都三大祭り」として有名な葵祭の前祭となっていて、宮中行事に習った形式で行われ、舞楽装束をつけて馬を走らせる姿は、迫力を感じるだけでなく、美しくもあります。
「くらべ馬」は、他にも「きそい馬」「こまくらべ」とも呼ばれます。
端午の節句に天下泰平、五穀豊穣を祈願して、宮中で開催されていましたが、平安時代の1093年から上賀茂神社で行われるようになりました。
加茂競馬と言う名前のため、「競馬」のように何頭もの馬が並んで走ると思われるかもしれませんが、2頭の馬が勝敗を争う行事です。
競い方はと言うと、2頭の馬を1馬身の差をつけて走らせ、この1馬身の差が広がったら前の馬、縮まったら後の馬が、勝利となります。
「加茂競馬」乗馬練習風景
一の鳥居を抜けると、まっすぐ参道がのび、青々した芝生が広がっています。
その左手に、柵設置され馬場ができています。
ここで、「加茂競馬」乗馬練習をしていて、大迫力の乗馬風景を間近に見ることができます。
想像以上のスピードと掛け声!!
思わず観客が「おおお~!!!」と声をあげてしまいます。
騎手は、「乗尻(のりじり)」と呼ばれます。
練習風景を見ると、本当に競馬!って感じなのですが、乗尻は本番には伝統的な装束に着替えます。
くらべ馬が、かつて宮中で開催されていた時と同じ、舞楽の装束で、左方は「打毬楽(たぎゅうらく)」という舞の装束、右方は「狛桙(こまぼこ)」の装束と決まっています。
もちろん、馬も馬装を施されます。
鞍は、日本伝統の「和鞍(わぐら)」が使われ、左方、右方で違いはないのですが、第一の荘園「倭文庄」だけは、他の馬と違った華やかなものを使います。
上の動画には写っていないのですが、馬場のわきには、何本か木が植えられています。
この木が、発走地点の目安となる「馬出しの桜」、馬だしの桜の次に立っている「むち打ちの桜」は、乗尻がここから鞭を打つ目印になります。
この神事の神馬は、「神山(こうやま)号」と言う名前で、普段は神社には居ないのですが、毎月1日・日曜と祝祭日、神事の日の9:30~15:00は、神馬舎にいますよ!
2023年5月5日「加茂競馬(くらべうま)」開催情報
開催日程:2023年5月5日(金)
時間:14:00
料金:拝観席(500円・1000円)
場所:上賀茂神社(一の鳥居内芝生)
競馬会の儀が13:00から行われ、14:00頃から芝生の馬場で加茂競馬(くらべうま)が始まります。
【上賀茂神社】アクセス基本情報
【上賀茂神社】基本情報
住所:京都府京都市北区上賀茂本山339
電話:0757810011
HP:https://www.kamigamojinja.jp/
アクセス:地下鉄烏丸線「北山駅」から徒歩約15分
上賀茂神社には、加茂競馬の「勝守」や、木馬のおみくじ「馬みくじ」もありますよ!