兵庫県神戸市西区に「三身山太山寺」というお寺があります。
神戸市と聞くと、三宮などの賑やかな街を思い浮かべる方も多いと思いますが、太山寺がある西区伊川谷町前開は、周囲を山々に囲まれた、静かで美しいのどかな里です。
そんな緑美しい場所でひっそりと佇む「三身山太山寺」には、神戸市内で唯一となる国宝建造物があります。
今回は、神戸市内で唯一となる国宝建造物のある「三身山太山寺」をご紹介します。
車以外でのアクセスがかなり悪い場所にあるので、バスでのアクセスについても詳しくご説明します。
静かな里山で、香り豊かな自家焙煎珈琲がいただけるカフェもご紹介しますよ!
目次
三身山(さんしんざん)太山寺(たいさんじ)
太山寺は、奈良時代初期の霊亀 2年(西暦 716年)に創建された
藤原鎌足の孫である藤原宇合が堂塔伽藍を建立し、藤原鎌足の長男である藤原定恵が開山したのに始まりと伝えられています。
弘安 8年(西暦 1285年)の火災で本堂が焼失しましたが、鎌倉時代の永仁年間に再建され、現在に至っています。
【三身山太山寺】見どころ紹介
バス停の目の前に、重要文化財に指定されている「仁王門」が建っています。
仁王門は、元々は 2km 以上離れた地下鉄伊川谷駅の辺りにあったのですが、現在の場所に移築されたそうです。
仁王門を抜けると、突然雰囲気が変化します。
白壁や石畳が続き、のどかな風景と美しい山が広がっています。
全体に雰囲気があっていい感じです。
南北朝時代には、支院 41ヶ坊、末寺 8ヶ寺、末社 6ヶ社に多数の僧兵を有していたお寺なのだそうです。
突き当りまで進んだ左手に「中門」が建っています。
中門をくぐると、参拝受付があります。
中門を入ってすぐの景色です。
木々の緑と空の青、それに本堂と三重塔の赤が、美しいです。(三重塔は写っていませんが右手にあります)
右手に三重塔があるのですが、まずは何と言っても、神戸市内で唯一の国宝となっている「本堂」をご紹介しておきましょう。
本堂は、創立は不祥ですが、弘安8年(1285年)に前身が焼失し、その後再建されたもので、正面が約20m、側面が約18mあり、大きく迫力のある建物となっています。
もちろん中に入って参拝することができます。
本堂には、本尊の薬師如来が安置されています。
そして、こちらが入ってすぐ右手にある「三重塔」です。
写真では分からないかもしれませんが、各層の四隅の尾垂木の問に「邪鬼」が置かれています。
各層で色が違い、下が白、真ん中が緑、上が褐色となっ ています。
初層内部には、 大日如来坐像と四天王立像が、安置されています。
本堂へと昇る階段手前を左に曲がると、「阿弥陀堂」があります。
元々は、天台宗の修法である常行三昧の「修行堂」でしたが、この堂のご本尊である阿弥陀如来への信仰が高まり、「阿弥陀堂」として信仰されるようになったのだそうです。
阿弥陀堂の横から延びる坂をあがると、鐘楼が建っています。
本堂の裏から、護摩堂や地蔵尊
それに、羅漢堂
稲荷舎
聖徳太子が祀られている太子堂などが、
本堂を取り囲むように建っています。
三重塔の奥に、道がのびています。
伊川を渡って「奥の院」へと続く「閼伽井橋」がかかっています。
あちこちに、ヤマフジが咲いていて、綺麗でした!
進むと、稲荷舎や地蔵堂などを見ることができます。
【三身山太山寺】基本情報|路線バスでのアクセスを詳しくご紹介!
【三身山太山寺】基本情報
住所:兵庫県神戸市西区伊川谷町前開224
電話:0789766658
拝観:8:30~17:00(12~2月は16:30まで)
拝観料:300円
HP:http://www.do-main.co.jp/taisanji/
アクセス:車で第二神明道路「高丸インター」から北へ約10分
バスは出ていますが本数は少なく、かなり不便です。
車を利用しない場合は、しっかり予定を組んで訪れることをおススメします。
今回は、JR、地下鉄、路線バスを利用して太山寺に参拝したので、乗り継ぎや路線バス情報のついても詳しくご紹介します。
ちなみに、下の写真が太山寺最寄りのバス停に到着した時に撮影した写真です。
日曜日に訪れたので、日祝日の時刻表ですが、ごらんの通り2時間に1本ほどの本数です。
路線バスで行く「三身山太山寺」
太山寺へは、神姫(しんき)バスを利用します。
太山寺に停車する路線へのバスは、
「明石駅 ~ 伊川谷駅 ~ 太山寺 ~ 名谷駅」(※間に他バス停もありますが飛ばしてます。)と言う具合、明石駅と名谷駅の間を往復しています。
下のマップで、位置確認をしておきましょう。
ピンクのライン、右から「三ノ宮→名谷駅→太山寺→伊川谷駅→明石駅」という位置関係です。
三ノ宮からアクセスする場合、名谷駅から路線巣に乗るのがよさそうに見えますが、三ノ宮から地下鉄に乗り継く必要がありますので、JRを利用の場合は、明石駅から乗った方が乗り換えが少なくて済みます。
運賃は、明石駅⇔太山寺550円、名谷駅⇔太山寺350円です。
今回は、三ノ宮駅→明石駅へ、路線バスで太山寺へ向かいました。
時間的に、三ノ宮からJRで明石駅に移動すると、ちょうどランチをゆっくり食べてから、良い感じで乗車できる時間のバスがあったため、行きはこのコースを選びました。
そして帰りは、
太山寺から路線バスで名谷駅へ、ここで地下鉄に乗り換えて名谷駅→三ノ宮到着というコースで参拝しました。
若干ですが、名谷駅へ向かうバスの方が時間が早かったので、帰りは来た時と同じ名谷駅行きのバスに乗車しました。
このように、バスは明石駅と名谷駅の間を往復していますので、状況をみながら乗車する駅を選べばいいでしょう。
明石駅から太山寺方面へ向かう場合、伊川谷駅どまりのバスもあるので間違って乗車しないよう注意してください。
ちなみに、太山寺の最寄り駅は、この伊川谷駅で歩くと約30分ほどなので「帰りのバスを待っていられない」と言う方は、ウォーキングがてら伊川谷駅まで歩くという選択肢もあります。
バスに乗ってしまえばスムーズですが、本数が少ないことに変わりはありません。
今回も、到着から帰りのバスまでの時間が、約3時間近くもあって、周りはのどかな里で、正直時間をどう潰せばよいのか不安でした。
が!
大丈夫です。
参拝して、写真をのんびり撮りながら境内を巡ると小一時間かかりました。
その後も、ちゃ~んと楽しめましたよ!
それでは、次にのんびり大満足で過ごせる周辺情報をご紹介します!
【三身山太山寺】周辺情報
最初にお伝えした通り、太山寺の周囲は、山々に囲まれた静かでどかな里です。
車で訪れた方は、心配いりませんが、電車とバスを乗り継いで訪れる方は、周辺にはほとんど飲食店がないので、「ちょうどランチの時間に訪れる」などは、おススメできません。
また、バスでアクセスした場合、帰りのバスまでの待ち時間がかなりあります。
そこで、周辺の情報をお届けします!
明石と言えば「魚の棚」
バスに乗るためとは言え、せっかく明石駅まで来たら「魚の棚」で「明石焼き」を食べときましょう!
「魚の棚」は、明石近郊の台所として栄える魚介類や練り製品、乾物などの特産品を扱う商店を中心に100店舗以上が軒を連ねる商店街です。
明石駅から、歩いて5分ほどで、駅前のショッピングモール「パピオスあかし」の2階をまっすぐ突っ切るのが最短ルートです。
商店街には、明石焼きの店もたくさんありますよ!
太山寺珈琲焙煎室|こだわりのコーヒー豆と香り豊かなコーヒーで至福の時
太山寺のすぐ側にある「太山寺珈琲焙煎室」
田んぼや鳥のさえずり、緑豊かな山々、そんなのどかな里山風景に溶け込んでいながら存在感のあるお店では、たくさんの方がコーヒーをゆっくりと楽しんでいました。
もちろん、私たち夫婦もバスの時間まで、ゆ~くり静かな時を過ごさせていただきました!
たくさん人が居ても、都心のカフェのような殺伐とした感じはなく、皆さんこの静かな里と調和しているのがいい感じです。
私たちのようにバスの時間を待っている方が多いのかと思いきや、車でわざわざコーヒー豆を買いに来ている方の方が多く、皆さん常連さんのご様子でした。
豆を買いに来るのがよくわかる、いつもの香りとは全然違った香りを楽しめるコーヒーでした。豆の種類も多くて選ぶのにはちょっと悩みました!
お店の営業時間は、10:00~18:00、定休日が第3金曜日と毎週土曜日のようなので、ご注意を!!
湯~モアリゾート 太山寺温泉なでしこの湯|温泉でのんびり
太山寺から徒歩3分ほどの場所には、「湯~モアリゾート 太山寺温泉なでしこの湯」と言う温泉施設があります。
天然ラジウム温泉の日帰り温泉施設なので、食事処もあります。
兵庫県の特産品や神戸市西区の地元名産品、産地直送新鮮野菜を販売しているので、お買い物もできますよ。
温泉に入ったら、「もうバタバタせずにそのまま休みたい」と言う方は、宿泊もできるので、泊ってしまえば時間を忘れてのんびりできますね!
【 湯〜モアリゾート 太山寺温泉 なでしこの湯】宿泊予約はこちらから
太山寺へは、国道から仁王門の横の道を入っていくのですが、この道が狭くなっています。
車でくる方が、みんな国道を挟んだ向こう側から歩いてくるな~と思っていたら、湯~モアリゾート 太山寺温泉なでしこの湯の駐車場に車を止める方が多いようでした。
神戸市で唯一の国宝建築物がある太山寺は、訪れてみたら、昔ながらの景観が残る周辺も含め、美しい場所でした。
ちょっと癒されたい時、訪れてみてはいかがでしょうか?