京都市北区の鷹峯は、京都の喧騒から離れ、静かに社寺を巡ることができるスポットです。
そんな鷹峯の中で有名なのが、源光庵です。
今回は、京都市北区の鷹峯(たかがみね)にある源光庵をご紹介します。
「悟りの窓」と「迷いの窓」、また遺構と伝えられる「血天井」など、見どころが多くたくさんの参拝客が訪れるお寺でありながら、禅寺らしい静けさと美しさを醸し出すお寺ですよ!
源光庵(げんこうあん)
源光庵は「鷹峯(たかがみね)」と呼ばれるエリアにあります。
標高が、京都駅前にある京都タワーの天辺と同じ、夏は涼しい閑静な避暑地の鷹峯は、市街地から離れた高級ホテルも多いエリアです。
時代初期には、本阿弥光悦が徳川家康から土地を拝領し「光悦芸術村」を開いたと伝わる地です。
源光庵は、約670年前の1346年、「徹翁義亨(てっとうぎこう)」が、隠居所として創建したものと伝わっています。
一時は衰退しますが、江戸時代中期の1694年、「卍山道白(まんざんどうはく)」が、源光庵の住持として迎えられ、曹洞宗の寺院として復興され、本堂が建立されました。
京都の北、鷹峯の麓にあり、2019年から庫裡の改修工事の為に拝見休止していましたが、ついに22年4月より満を持して拝観が再開されました。
丸い“悟りの窓”と四角い“迷いの窓”
源光庵といえば大人気なのが、本堂に入ってすぐにある“二つの窓”です。
紅葉の京都のポスターで「悟りの窓」、「迷いの窓」が有名になり、特に紅葉の時期には、多くの観光客が訪れます。
以前は、窓の側までいけましたが、現在は囲いがあり少し距離を置いて眺めます。
そこには、「悟りの窓」と「迷いの窓」、丸と四角と言う対照的な形の窓が並んいます。
新緑の頃、紅葉、雪景色と、四季折々の違った姿の庭を、この対照的な形の窓が見事に引き立ててくれています。
丸い形をした窓は「悟りの窓」と呼ばれます。
「円」は、大宇宙を意味し、『円通(えんつう)※「周円融通」の略』の心を表すといいます。
周円融通とは
智慧によって悟られた絶対の真理は、あまねくゆきわたり、その作用は自在であること。
また、真理を悟る智慧の実践。
そして、もう一方の四角い形をした窓は「迷いの窓」と呼ばれます。
人間の生涯を角形にして象徴していて、生老病死などの四苦八苦を表しているといいます。
訪れた多くの人は、本堂のこの二つの窓の前に、ただ、じっと座っています。
それは、二つの窓が自分へと送るメッセージを受け取ろうとするかのように見えます。
人それぞれ、その人の人生によって、この窓から見えるモノは全く違うのかもしれません。
先ほどもご紹介したとおり、紅葉シーズンには、窓からの写真を撮るため多くの観光客が訪れます。
静けさに包まれて、窓と自分に向き合う時間をとりたいとお考えの方は、紅葉シーズンを外して訪れることをおススメします。
京都に点在する伏見城の遺構のひとつ「血天井」
「悟りの窓」と「迷いの窓」がある源光庵本堂の廊下の天井は、飛び散った血の後残る「血天井」になっています。
京都の各所に見られる「血天井」、中でも源光庵の本堂の血天井は有名です。
血で染められた天井には、ハッキリと足の形や手の形が確認でき、歴史や時代、人間の色んな感情について考えさせられます。
安土桃山時代の慶長5年(1600)の関ケ原の戦いの前哨戦と言われる伏見城の戦いで、小早川秀秋らが率いる西軍と伏見城を守っていた東軍の鳥居元忠(とりいもとただ)は、西軍の攻撃に力尽きて380名の一党とともに自刃しました。
伏見城は、明治維新の後で壊されますが、残った廃材が各所に配られ、その一部がここ源光庵本堂の廊下に使われまたと伝わっています。
「源光庵」見どころ紹介
阪急四条大宮から6番系統のバスに約30分ほど乗車し、鷹峯源光庵前バス停で下車して少し歩くと、源光庵があります。
山門に続く道も雰囲気があり、静けさに満ちています。
さらに奥へとすすむと、美しい門が建っています。
門をくぐると、左前に本堂が建っています。
この本堂の中に、「悟りの窓」と「迷いの窓」、そして「血天井」があります。
右にある建物で靴を脱いで、拝観受付をして中に入ります。
2019年からの改修工事で木の香りのする新しい建物の軒下に、開梆(かいぱん)が吊るされていました。
拝観受付をすませ、入ってすぐ左に曲がると、本堂です。
本堂でお参りと、「悟りの窓」と「迷いの窓」、そして「血天井」を堪能した後は、書院と、その奥に広がる庭園もお見逃しなく。
入ってすぐの間には、書が飾られています。
どこからともなく、ふんわりと落ち着く香りが漂っていると思っていたら、机の上に置かれたこちらの可愛い陶器の香炉から、お香の煙がたっていました。
隣の部屋には、古い山水画の襖があります。
書院全体を柔らかく新緑が包み込んでいるようで、開け放たれた書院には気持ちの良い風が流れ込んでいました。
【源光庵】アクセス基本情報
【源光庵】基本情報
住所:京都府京都市北区鷹峯北鷹峯町47
電話:0754921858
拝観時間:午前9時~午後5時
拝観料:大人 400円
HP:http://genkouan.or.jp/
アクセス:地下鉄(烏丸線)北大路駅より(北1号)系統玄琢行き、四条大宮より(6号)系統玄琢行き乗車、「鷹峯源光庵前」 下車
※寺の行事がある時には、終日または臨時に拝観を中止することがあります。
※2023/5時点
鷹峯エリアは、夏は涼しい閑静な避暑地、市街地から離れ高級ホテルも多く、のんびりと京都を楽しみたい方にはオススメのエリアです。
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