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ラグビーの聖地「糺の森」の下鴨神社末社

こんにちは。

【夫婦でお参り】のHOKI & MIYUです。

今日もポチポチと、神社仏閣に関わる情報をお届けします。

下鴨神社が鎮座する糺の森(ただすのもり)には、近年、下鴨神社の末社が再建されています。

下鴨神社によく参拝させていただきますが、最近になって糺の森の中ほどに4つの社が並んでいることに気づきました。

そして、糺の森がラグビーの聖地であることも初めて知りました。

今日は、下鴨神社の糺の森に鎮座する4つの社「雑太社」「二十二所社」「河崎社」「賀茂斎院歴代斎王神霊社」をご紹介します。

糺の森に再建された「4つの社」

糺の森の中には、下鴨神社の参道の横に、流鏑馬神事に使われる馬場が並走しています。この糺の森の馬場の真ん中辺りに、4つの末社が並んでいます。

雑太社

雑太社と書いて「さわたしゃ」と読みます。

雑太社は、もともと鴨社神舘御所内の雑太(さわた)という地に、御所の鎮祭社として祀られていまいた。応仁・文明の乱の兵火によって、鴨社神舘御所が焼亡したときに鴨社神宮寺域へ移されたそうです。

ラグビーの聖地「 第一蹴の地 」

雑太社の鎮座する地は、 ラグビーの聖地「 第一蹴の地 」と言われています。

何の関連性もなさそうな「ラグビー」と「糺の森」ですが、実は明治43(1910)に「雑太社」の社殿が特別保護建造物に指定され、御祭神である神魂命(かんのたまのみこと)の「魂(たま)」が「球(たま)」に通じることから、同年の9月10日、雑田社前の糺の森馬場でラグビーが行われました。

これが、日本国内で初めて行われたラグビーの試合だったのです。

このことが契機となり日本ラクビー界の歴史が始まり、初試合をおこなった旧制第三高等学校の関係者が、昭和44年10月5日に「第一蹴の地」の聖地として記念碑を建立しました。

雑太社では、記念碑以外にもラグビーファンが楽しめるものがたくさんあります。

社殿の前には、大きな木のラグビーボールが祀られています。

社殿横には、ラグビー選手のサインが飾られています。

奉納されている絵馬は、ラグビーボールの形の絵馬で、すぐ側にある河合神社で授与いただけます。(雑太社の前にも少し置かれていました)

二十二所社

社殿の前には、小さなかわいい狛犬がいます。

二十二所社は、 創始年代は不詳、鴨氏二十二譜始祖神を祀っています。

由緒書によると、明治10(1877)年3月21日に摂社七社の内、第六社として制定された社で、社殿は、第二十三回式年遷宮により造替され、雑太社(さわたしゃ)と相殿になりました。

もともとは、旧鴨社神宮寺境内に祀られていたそうです。

滋賀県の日吉大社に下鴨神社本宮の祭神である玉依媛命(たまよりひめのみこと)と同神が祀られており、この社を遥拝所としていた時期があったことから、日吉社と呼ばれていたそうです。

第三十四回式年遷宮で造替となりました。

河崎社

二十二所社の南隣にあるのが、河崎社 (こうさきのやしろ) です。写真を撮り忘れました。

朱色の鳥居が並び、その奥に板に囲まれて社殿が建っています。

河崎社は、京都大学辺りから田中神社一帯にあった鴨氏の集落の社で、もともとは、現在の知恩寺付近に鎮座していました。今も境内には鴨神社が奉斎されています。

そして、平成27(2015)年の第三十四回式年遷宮事業の一環として、再興されました。

下鴨神社賀茂斎院歴代斎王神霊社

賀茂斎院歴代斎王神霊社は、平成30(2018)年に再興されました。

賀茂斎院歴代斎王神霊社は、平安時代前期の第52代・嵯峨天皇の時代に勧進され、古くから祀られていたとも言われています。

斎王、かつて天皇の娘である未婚の内親王(ないしんのう)、または女王から選ばれました。

初代斎王は平安時代前期の810年(大同5年)に賀茂斎院が設置された際の第52代・嵯峨天皇の第8皇女・有智子内親王(うちこないしんのう)です。

その後、時子内親王(ときこないしんのう)・高子内親王(こうしないしんのう)・慧子内親王(あきらけいこないしんのう)と続き、35代・礼子内親王(れいしないしんのう)まで、約400年間にわたって歴任しました。


35代・礼子内親王(いやこないしんのう)が退下してからは、約400年間続いた賀茂斎院(斎院制度)は廃絶しました。

手水舎

4つの社を参拝するために建てられた手水舎だと思うのですが、今まで見たことがないような手水舎がありました。

以下、説明書きの内容全文です。

いはばしる垂水の上のさ蕨の萌えいづる春になりにけるかも

「万葉集・八」志貴皇子

「岩の上を激しく流れる垂水のほとばしるところのワラビが芽さしはじめて春になったことを告げている」と言う意味の和歌です。

糺の森の西を流れる鴨川は流域に住む人たちによって、源流は糺の森とみられていました。四季に移ろう糺の森の幽水と幽玄は、神々の鎮まる聖域として信仰されてきました。

広大な神の森の滴をいただき、岩から流れる清水を両手でうけ、身体にそそぎ、御生(みあられ)をして御神威をお受けください。

和歌の風情を現した手水舎のようです。

上の写真は、糺の森です。

アクセス

住所:京都市左京区下鴨泉川町2−15

京阪電車「出町柳駅」から徒歩約9分

4つの社が並んでいますので、上記は代表して雑太社の住所となっています。

糺の森の中にあり、河合神社から下鴨神社に向かって歩く途中にありますが、下鴨神社参道を通ると、ご紹介した末社には気づくことができませんので、まずは、河合神社を目印に行かれることをおすすめします。

それでは、また。

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