“龍”といえば、水を司る神さまとして崇められてきた歴史があるため、龍神様を祀る神社を思い浮かべる方も多いと思います。
また、仏教では龍が守り神と言われ、お寺では古くから襖や天井に“龍”が描かれ大切に守られています。
2024年は辰年、龍の年ということで、今回は、京都の迫力ある「龍の天井画」が見られるお寺をご紹介していきます!
有名どころはもちろん、通常非公開で特別公開でしか見られない天井図もご紹介します。
アクセスの良いお寺が多いので是非訪れるときの参考にしてくださいね!
目次
京都|龍の天井図があるお寺“9選”
お寺を参拝した時、天井に描かれる龍を見たことはありませんか?
これは「雲龍図」と呼ばれるもので、「法堂」とよばれる建物の天井に描かれていることが多いです。
古来より仏法を守護する象徴とされてきた龍に「仏法の教えを降らす」という意味を込めて、法堂の天井に龍が描かれました。
また、龍は水の神とも言われることから、火災から法堂(建物)を守るという意味も込められています。
妙心寺“雲龍図”
妙心寺は、右京区にある臨済宗妙心寺派の大本山です。
近くには金閣寺や龍安寺などの観光地がたくさんあるので金閣寺などの観光とあわせて拝観がおススメです。
妙心寺は、広々とした敷地内にお堂や仏殿、多くの塔頭があり、まるでひとつの町の様な場所になっています。
妙心寺の天井図は、重要文化財に指定されている法堂内にあります。
円の中心に描かれている龍の作者は狩野探幽で、8年かけて描いた大作と言われています。
妙心寺の龍は、円の中心にある龍の目が、どの方向から見てもこちらを睨んでいるように錯覚するように描かれているため、通称「八方睨みの龍」と呼ばれています。
本当にどの角度から見ても天井の龍と目が合っているような気がするので、妙心寺に行った際は是非様々な方向から角度を変えてみてください。とっても不思議な感覚を味わうことができますよ!
【妙心寺】基本情報
住所:京都府京都市右京区花園妙心寺町1
電話:0754615226
HP:https://www.myoshinji.or.jp/
拝観時間:9:00~12:00、13:00~16:00
拝観料:大人700円・小中学生400円
※その他塔頭の拝観には別途拝観料要
アクセス:JR嵯峨野線「花園駅」下車南門まで徒歩約5分
駐車場:妙心寺東側に第1駐車場、第2駐車場ー料金700円
※参拝者・花園会館利用の場合無料
建仁寺“双龍図”
建仁寺は、京都最古の禅寺としても知られています。
京都の中でも有名な観光エリア「祇園(ぎおん)」の近くにありアクセス抜群です。
八坂神社や安井金毘羅宮など、合わせて観光できる場所も多くてオススメです。
建仁寺の龍の天井画は、法堂(本堂)にあります。
本坊で受付を済ませると、方丈の施設内を通って向かいます。
本堂に入ると、天井に大迫力の双竜を見ることができます。
この天井画は、意外にも新しいもので、2002年に創建800年を記念して日本画家の小泉淳作氏により描かれたものです。
建仁寺には、天井の龍のほかにも、風神雷神図屏風の展示(精巧なレプリカ)していたり、見所はたくさんありますよ!
【建仁寺】基本情報
住所:京都市東山区大和大路四条下ル小松町584
HP:https://www.kenninji.jp/
アクセス:京阪電車「祇園四条駅」から徒歩約7分
阪急電車「河原町駅」から徒歩約10分
京都市バス「東山安井」から徒歩約5分
拝観時間:午前10時~午後4時30分受付終了(午後5時閉門)
拝観料:一般 600円 中高生 300円 小学生 200円 ※小学生未満は無料
※小学生以下のみでの拝観は不可
霊源院“墨龍図”(通常非公開)
霊源院は、「建仁寺」の南東にある塔頭で、通常非公開の寺院です。
あの“一休さん”こと一休宗純禅師や、戦国大名「今川義元」がここ霊源院で学んだと言われています。
建仁寺の塔頭、霊源院で見ることができる龍の天井図は、すごく新しく、令和に登場したものです!
中国の写真家でありながら画家の顔も持つ「陳漫(チェンマン)」氏が奉納した、令和の天井画「墨龍図」です。
特徴的な龍図で、龍の身体部分は描かれていません。
また、本堂で寝っ転がってOKという、ちょっと変わった鑑賞体験ができるのも面白いですよ!
霊源院は、通常非公開の寺院です。
春・冬には特別公開の期間もあるので、要チェックです!!
【霊源院】基本情報
住所:京都府京都市東山区小松町594(建仁寺内)
HP:http://www.reigenin.jp/
拝観:通常非公開
アクセス:JR奈良線「東福寺駅」から京阪電車「祇園四条駅」下車徒歩12分
京都駅から市バス206系統「清水道」下車徒歩5分
東福寺“画龍図”
東福寺は、秋は通天橋から望む洗玉澗という渓谷の紅葉が美しいことで有名な、国内海外からの観光客問わず大人気の観光スポットとなっています。
紅葉や桜が美しいだけでなく、三門は現存最古の三門で国宝、他にも禅堂、浴室、東司(とうす)、愛染堂などは重要文化財に指定されていて、建築物も見どころが多い寺院です。
そんな東福寺にも龍の天井図があります。
ただし、東福寺の龍図は、建物内では見られません。
東福寺の仏殿(本堂)の天井に龍図が描かれて、仏殿には入ることができませんが、龍図は外から見る事が出来ます。
ですので、東福寺の仏殿の前で手を合わせた後は、必ず外から天井を眺めてみて下さい!
その天井に描かれているのは、体長54mにも及ぶ超巨大な龍です。
この巨大な龍ですが、たった17日で描いたというから、驚きです!
【東福寺】基本情報
住所:京都府京都市東山区本町15丁目778
電話:0755610087
拝観時間:(4月~10月末)9:00~16:00
HP:https://tofukuji.jp/
アクセス:JR奈良線「東福寺駅」から歩いて約10分、「鳥羽街道駅」から歩いて約8分
東福寺本坊庭園(方丈)・通天橋・開山堂など拝観には拝観料金がかかります。
※「通天橋」秋のライトアップ(夜間拝観)の予約はJR東海HP(エクスプレス予約)から事前申し込みが必要です。
相国寺"蟠龍図"(通常非公開)
京都市上京区にある臨済宗相国寺派大本山の寺院「相国寺(しょうこくじ)」は、足利将軍家ゆかりの禅寺です。
京都の観光スポットとして有名な金閣寺と銀閣寺は、ここ相国寺の塔頭の一つで、相国寺はその大本山となります。
相国寺の法堂は現存最古の法堂で、天井には慶長10年(1605年)の法堂再建の際に狩野光信により描かれたとされてい蟠龍図があります。
蟠龍とは、天井に昇る前の地上にうずくまっている状態の龍のことです。
相国寺の「鳴き龍」とも呼ばれています。
そう呼ばれる理由は、法堂内の中央付近で手をたたくと、天井に反響してカラカラと音が鳴るのが龍の鳴き声のように聞こえるからです。
通常非公開で、春・秋の特別公開のときに参拝可能です。
参拝する際は、龍の下で手をたたいてみてくださいね。
【相国寺】基本情報
住所:京都府京都市上京区相国寺門前701
電話:0752310301
拝観時間:10:00~16:00
HP:https://www.shokoku-ji.jp/
アクセス:京都市営地下鉄烏丸線 今出川駅より徒歩約8分
京阪本線 出町柳駅より徒歩約20分
※特別拝観の期間はHPにてご確認ください
南禅寺“雲龍図”
南禅寺は、左京区にある臨済宗南禅寺派大本山の寺院です。
こちらも人気の観光スポットとなっている寺院ですが、ここ南禅寺でも雲龍図を見ることができます。
南禅寺の龍は、法堂に描かれています。ただし、東福寺と同じく法堂内に入ることはできないので、外側から見ることになります。
南禅寺の法堂は2回焼失していて、現在の法堂は1909年に再建されたものです。
天井に描かれている龍は、再建されたときに日本画家の今尾景年により描かれたものです。
他所で見る龍と違い、赤や緑の目立つ配色が目を引く雲龍図となっているので、お参りをしたら外から法堂の天井を見上げるのを忘れないように!
【南禅寺】基本情報
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町
電話:0757710365
HP:https://nanzenji.or.jp/
拝観時間:
午前8時40分~午後5時(3月1日~11月30日)
午前8時40分~午後4時30分(12月1日~2月28日)
※方丈庭園・三門・南禅院の拝観には別途拝観料がかかります
アクセス:地下鉄東西線「蹴上(けあげ)駅」から徒歩約5分
天龍寺“雲龍図”(通常非公開)
天龍寺は、京都の人気観光スポット右京区の嵯峨嵐山にあるお寺です。
妙心寺と同じく円の中に「八方睨み」の龍が描かれているので、見つめながら移動すると龍の目がこちらを追いかけてくるような不思議感覚に襲われます。
日本画家・加山又造画伯の作で、1997年に天龍寺開山夢窓国師650年遠諱記念事業として法堂の天井に描かれました。
天龍寺の法堂は毎年2月に公開され、他にも春や秋に特別公開がされています。
公開時期の予定は、天龍寺の公式HPで確認して旅行計画をたてて下さいね!
【天龍寺】基本情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
電話:0758811235
HP:https://www.tenryuji.com/
アクセス:嵐電「嵐山」駅下目の前、JR嵯峨嵐山」駅下車徒歩13分、阪急「嵐山」駅下車徒歩15分
■庭園(曹源池・百花苑)
時間:8時30分~17時 [受付終了16時50分](庭園受付・北門受付)
料金:高校生以上:500円
■諸堂(大方丈・書院・多宝殿)
時間:8時30分~16時45分 [受付終了16時30分]
料金:庭園参拝料に300円追加
■法堂「雲龍図」特別公開
時間:9時~16時30分 [受付終了16時20分]
料金:500円
高台寺“雲龍図”(通常非公開)
年間通して、ライトアップなどの期間限定イベントも催されていることが多い高台寺は、京都らしい風情が楽しめる「二寧坂」や人気の観光地「清水寺」からも近くアクセスもいいので拝観するのも便利です。
高台寺の龍の天井画「内陣の龍」が描かれているのは、「開山堂」で通常は非公開となっています。
普段は、柵が設けられていて「内陣の龍」の全体を目にすることが出来ないようになっていて、特別拝観の際には間近に見ることができます。
妙心寺や天龍寺、相国寺の龍に比べてかなり小さいですが、間近に見るとやはり感動ですよ!
【高台寺】基本情報
住所:京都府京都市東山区 高台寺下河原町526
電話:0755619966
参拝:9:00~17:00
HP:http://www.kodaiji.com/
アクセス
<電車>地下鉄京都烏丸線の「四条」からは徒歩約30分
阪急電車京都線の「京都河原町」からは徒歩約20分
京阪電車の「祇園四条」から徒歩約15分
<バス>京都市バス206系統に乗車して「東山安井」で下車、徒歩約5分
京都市バス100系統もしくは206系統に乗車して「祇園」で下車、徒歩約10分
大徳寺“雲龍図”(通常非公開)
大徳寺は、京都市北区紫野にある臨済宗大徳寺派の大本山です。
枯淡な松林に囲まれ、山門・仏殿・法堂・方丈・庫裡・僧堂・浴室・経蔵・鐘楼などの伽藍が並び、2つの別院と22の塔頭があり、禅寺の整然とした落ち着いた雰囲気を味わうことができます。
重要文化財に指定されている法堂に迫力ある天井画「雲龍図」があります。
この雲龍図は、絵師・狩野探幽が35歳の時の作といわれ、手を叩くと龍が鳴いたように音が法堂内に響き渡る鳴き龍となっています。
残念ながらこちらは通常時は公開されておらず、特別公開の時しか見ることが出来ません。
特別公開のチェックをして是非拝観してみて下さいね!
【大徳寺】基本情報
住所: 京都府京都市北区紫野大徳寺町53
電話:0754910019
HP:https://daitokujidaijiin.com/
アクセス:最寄り駅京都市営地下鉄烏丸線「北大路駅」より徒歩約20分
京都駅からは京都市営バス205系統、206系統、101号系統に乗車「大徳寺前」より徒歩約6分
京都|龍の天井図まとめ
寺院名 | 名称 | 拝観可否 | 住所 |
妙心寺 | 雲龍図 | 公開 | 京都府京都市右京区花園妙心寺町1 |
建仁寺 | 双龍図 | 公開 | 京都市東山区大和大路四条下ル小松町584 |
霊源院 | 墨龍図 | 期間限定公開あり | 京都市東山区大和大路四条下ル小松町584(建仁寺内) |
東福寺 | 画龍図 | 外から覗いて拝観できる | 京都府京都市東山区本町15丁目778 |
相国寺 | 蟠龍図 | 期間限定公開あり | 京都府京都市上京区相国寺門前701 |
南禅寺 | 雲龍図 | 外から覗いて拝観できる | 京都府京都市左京区南禅寺福地町 |
天龍寺 | 雲龍図 | 期間限定公開あり | 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 |
高台寺 | 雲龍図 | 非公開・特別公開あり | 京都府京都市東山区 高台寺下河原町526 |
大徳寺 | 雲龍図 | 非公開・特別公開あり | 京都府京都市北区紫野大徳寺町53 |
※2024年11月現在の情報です。
変更される場合もございますので、必ず公式ページ等でご確認ください。
ちなみに、来年2024年は辰年なこともあって、龍にまつわる社寺をめぐるツアーもたくさん登場しています。
東京発なら、2024年辰年 新春初まいりで京の龍10社寺めぐりができるツアーなども登場していますよ!
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