京都を代表する大寺院である「妙心寺(みょうしんじ)」は、日本最大級の禅寺で、46の塔頭寺院を持つ臨済宗妙心寺派の大本山です。
今回は日本最大級の禅寺「妙心寺」をご紹介します。
アクセス方法や基本情報、見どころをまとめてお届けします。
広大な敷地には、狩野探幽が描いた「雲龍図」など、見どころたくさんありますよ!
妙心寺には、広大な敷地に46の塔頭寺院が整然と立ち並んでいます。
せっかく妙心寺に参拝したら、ひとつの街のような境内を散策したり、公開されている寺院も一緒に拝観したいですよね。
そこで!
塔頭寺院の中で通常公開されている「3つの寺院」と、妙心寺の境外塔頭で、枯山水庭園で有名な「龍安寺」、そして、季節限定、特別拝観などでしか公開されない寺院の様子も一挙ご紹介します!
目次
妙心寺(みょうしんじ)
妙心寺は、全国に約3500の末寺を持つ臨済宗妙心寺派の大本山です。
もともと、妙心寺の辺りには、四季折々の花が咲く美しい「お花畑」が広がっていて、花を愛し平安を願われた第95代の天皇「花園法皇」が、この地に離宮を構えました。
その離宮を 寄進して禅寺にし、大徳寺を開いた大灯国師の弟子「関山慧玄(かんざんえげん)」を 美濃国から招いて開いたのが始まりです。
妙心寺は、1つのお寺というよりも、多くの寺院の集合体のようになっていて、46もの塔頭寺院が、妙心寺の東、北、西を取り囲んでいます。
境内はとても広いうえに、暮らしの道路が通って、自転車やお散歩をするご近所さんもいて、1つの町かと思うようなつくりとなっています。
また、見どころも多く、日本最古の「鐘楼」、狩野探幽が描いた「雲龍図」など、日本の歴史に触れることもできます。
妙心寺伽藍
妙心寺は、「勅使門」、「三門」、「仏殿」、「法堂」、「寝堂」と、重要文化財に指定されている伽藍が、南から一直線に並んでいます。
境内には暮らしの道路が通っているため、24時間開放されていて、ご自由に散策が可能ですが、「天井の雲龍図」と「国宝の梵鐘」がある「法堂」と、「大庫裏」は、別途拝観料が必要で拝観時間も決まっています。
※詳しくは末尾の【妙心寺基本情報】にご紹介しています。
妙心寺の南総門
南総門のすぐ左手に勅使門があります。
勅使門と三門の間には、放生池と呼ばれる池があります。
慶長4年(1599)創建の三門です。
楼上には、観世音菩薩と十六羅漢が祀られ、
柱や梁には、色鮮やかな飛天や鳳凰、龍の図が描かれています。
文政10年(1827)に創建された「仏殿」、ご本尊のお釈迦さまがお祀りされています。
「法堂」は、明暦2年(1656)に創建されました。
鏡天井には、狩野探幽が描いた雲龍図があります。
写真撮影は禁止のため、上の図は、パンフレットからの転載です。
どの場所から見ても、龍の目線を感じられることから「八方睨みの龍(はっぽうにらみのりゅう)」とも呼ばれているので、見る位置を移動しながら、龍をじっくりと観察してみて下さいね。
こちらの写真もパンフレットからの転載です。
以前は法堂の北西にある鐘楼につるされていて、現在は法堂に安置されていて見学できます。
法堂では、法座や坐禅が行われています。
法堂と右にある寝堂は廊下で繋がっています。
法堂と、寝堂は廊下で繋がっています。
法堂と寝堂をつなぐ廊下の下をくぐり、伽藍を東西へと横断することができます。
拝観は、こちらで受付しています。
大方丈は、承応3年(1654)に創建されました。
大方丈の庭前に唐門があります。
庫裡(くり)は、土間と大庫裡、小庫裡からなり、韋駄天像が祀られています。
妙心寺の台所として、何百人もの食事を一度に調理、配膳することができるのだそうです。
こちらが、外に出て参道から見た大方丈と、唐門です。
「経蔵」は、延宝2年(1674)に建立されました。
「崑蘆蔵」という扁額がかかっています。
「浴室」は、明暦2年(1656)再建されました。
もとは明智光秀を弔うために建立されたもので、明智風呂とも呼ばれています。
蒸し風呂形式になっているそうです。
妙心寺塔頭「通常公開3寺院」・「特別公開」・「境外塔頭1寺院」一挙紹介
妙心寺伽藍を堪能した後は、塔頭もじっくり楽しみましょう!
通常公開している寺院は3つあるので、時間に余裕があれば一緒に拝観することができます。
また、訪れた時によっていは、特別公開されている寺院もあるかもしれません。
境内の外にはなりますが、妙心寺の塔頭寺院で枯山水庭園で有名な「龍安寺」も、歩いても約15分ほどの場所にありますよ!
妙心寺塔頭|通常公開3寺院|紹介
まずは、妙心寺の中でも屈指の古刹「退蔵院」のご紹介です。
名勝池泉回遊式庭園を持ち、四季を楽しめる寺院で、通常公開だけではなく、季節ごとに食事をしながら紅葉や桜と楽しめる昼食プランなどの企画も催されるので、行く前にチェックして予定を合わせてみるのも良いのではないでしょうか。
続いては、
「桂春院」をご紹介します。
桂春院では、「清浄の庭」「侘の庭」「思惟の庭」「真如の庭」という4つの庭園を楽しめます。
ゆったりと、落ち着いた空間を堪能できる寺院です。
そして、
通常公開の塔頭ご紹介最後は、大心院です。
宿坊もあり、宿泊することもできる寺院です。
妙心寺塔頭|通常非公開3寺院|紹介
東林院は通常非公開の寺院ですが、毎年3回特別公開が行われています。
特別公開の時期に合わせて訪れるのもオススメです。
沙羅の木で知られ「沙羅双樹の寺」とも呼ばれる寺院で、この時期の特別公開は、花が散った苔庭の美しさと虚しさを味わえます。
「沙羅の花を愛でる会」特別公開の様子は、下の記事で詳しくご紹介しています。
妙心寺境内の北西にある壽聖院も、通常非公開の寺院です。
「2023年京の冬の旅」の特別公開の様子を下の記事でご紹介していますので、参考にどうぞ。
妙心寺境外寺院|龍安寺|紹介
妙心寺の境外塔頭の龍安寺は、寺院の名前より「石庭」と聞いた方がピンとくる方も多いかもしれません。
妙心寺からは、歩いて15分ほどかかりますが、海外からも絶賛される石庭を見に足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
【妙心寺】アクセス基本情報
【妙心寺】基本情報
住所:京都府京都市右京区花園妙心寺町1
電話:0754615226
HP:https://www.myoshinji.or.jp/
拝観時間:9:00~12:00、13:00~16:00
拝観料:大人700円・小中学生400円
※その他塔頭の拝観には別途拝観料要
アクセス:JR嵯峨野線「花園駅」下車南門まで徒歩約5分
駐車場:妙心寺東側に第1駐車場、第2駐車場ー料金700円
※参拝者・花園会館利用の場合無料
妙心寺で建築物の中を拝観できるのは、「法堂」と「大庫裏」のみとなっています。
その他については、妙心寺境内は暮らしの道路が通っているため24時間開放されていて、ご自由に散策が可能です。
「天井の雲龍図」と「国宝の梵鐘」があるのは、「法堂」です。
拝観受付は、大方丈の入口で、チケットはお昼の12時から13時の間は販売されていないため気を付けて下さい。
また、チケット販売は15時半までで、拝観時間は16時までとなります。
「法堂」と「大庫裏」の拝観は、以前は20分間隔でガイドの説明がありましたが、2021年1月からはガイドがなくなり、個人自由拝観となったため、待ち時間を気にする必要はなくなりました。
妙心寺には、丸太町通側の「南総門」のほかに、一条通に面する「北総門」もあります。
北総門からは、仁和寺や龍安寺まで徒歩約15分で、 歩いて散策するにも便利な場所に位置しています。
北総門から徒歩約3分のところには、嵐電の「妙心寺駅」もあるので、嵐電に乗って観光もオススメですよ!