寺院

滋賀県|紫式部ゆかりの地“石山寺”の魅力

滋賀県にある石山寺は、紫式部が源氏物語の着想を得たとも伝えられる紫式部ゆかりのお寺です。

また、西国三十三所観音霊場の第十三番札所で参拝者が絶えない滋賀の名所です。

今回は、石山寺の歴史と紫式部との繋がりに焦点を当て、その魅力をご紹介します。

石山寺の歴史

石山寺は、滋賀県大津市に位置する真言宗の寺院で、西国三十三所観音霊場の十三番札所として親しまれ多くの参拝客が訪れる寺院です。

その歴史は古く、747年(天平19年)に聖武天皇の発願によって、この地に聖徳太子の念持仏である如意輪観音を祀ったのが最初といわれています。

ご本尊である木造如意輪観音菩薩(もくぞうにょいりんかんぜおんぼさつ)は、33年に1回または天皇即位の翌年に開扉され、直近では2016年開帳されています。

紫式部と石山寺

紫式部は、平安時代初期に活躍した女流文学者で、代表作である「源氏物語」や「紫式部日記」などが日本の古典文学の中でもよく知られています。

紫式部は、源氏物語を起筆するにあたって、寛弘元年(1004年)、7日間に渡って石山寺に参籠したと伝わっています。

本堂の一角に紫式部が籠ったと伝わる「源氏の間」がその佇まいを残しています。

この「源氏の間」ですが、正中(しょうちゅう)年間に成立した詞書(ことばがき)に「源氏の間」と記されていて、鎌倉時代にはすでに『源氏の間』と呼ばれていたことがわかっています。

石山寺で源氏物語が着想され、第十二帖「須磨」の青年貴族が都から遠く離れた須磨で月を眺めながら、かつての暮らしを恋しく思うシーンは、紫式部が石山寺に参籠した際に構想し、そこから物語を書き始めたと言われています。

物語を執筆した場所というだけでなく、高い場所に建つ石山寺から望む景色や風情、石山寺の美しい自然環境や静謐な雰囲気は、紫式部が創り出す物語の舞台として想像され、彼女の創作に深い影響を与えたことでしょう。

石山寺の魅力

石山寺は、その歴史的な背景と美しい風景だけでなく、多くの文学的な関連性も備えています。

寺の境内には、紫式部ゆかりの地とされる場所が点在し、彼女の足跡を感じることができます。

また、石山寺には国が指定する国宝と重要文化財の建物があります。

石山寺は、硅灰石(けいかいせき)という巨大な岩盤の上に立っています。

お寺の境内のあちこちから突き出す巨岩をみることができ、これが「石山寺」という名前の由来にもなっています。

石山寺の表門である東大門は重要文化財になっています。

正門らしく風格が漂い、門の両脇には仁王像が威厳高く立っています。

石山寺は、奇岩を中心にそれを囲むように堂塔が配置されて、石の上の高い位置に国宝多宝塔、向かって左側に本堂、右側に鐘楼や御影堂が配置されています。

国宝となっているのが本堂は、創建は奈良時代ですが、1078年(承暦2年)に火事で焼失し、現在残っている建物は1096年(永長元年)に再建されたものです。

懸造りの礼堂は、淀君の寄進による中世の建物です。

日本最古の多宝塔はこちらも国宝で、源頼朝が寄進して建てらたものです。

1194年(建久5年)に建立されていれ、建立年が分かっている多宝塔の中では最も古いものです。

三十八所権現社も硅灰石に建っています。

光堂は平成20(2008)年 復興再建された建物です。

石山寺は紫式部ゆかりの地としても知られており、境内には彼女を讃える石碑が立っています。

紫式部が石山寺周辺で暮らしたとされる場所を示す案内板もあり、その縁を感じることができます。

境内には四季折々の自然の移り変わりが楽しめ、特に春の桜や秋の紅葉は訪れる人々を魅了します。

季節ごとに変わる美しい自然も、訪れる人々を心癒す要素となっています。

境内への参道沿いには、季節ごとの草花や観光案内があり、歩きながら寺院への期待感が高まります。

お土産処では、地元特産品など滋賀の魅力を手に入れることができます。

石山寺の境内は、歴史と自然、そして紫式部の文学的な縁が交じり合い、訪れる人々に癒しと感動を与えてくれる場所です。

ぜひ、石山寺の自然と歴史に触れに行ってみてはいかがでしょうか?

【石山寺】アクセス基本情報


【石山寺】基本情報

住所:滋賀県大津市石山寺1丁目1−1
電話:0775370013
参拝時間:8:00~16:30
入山料:一般600円
HP:http://www.ishiyamadera.or.jp/
アクセス:京阪石山寺駅から徒歩約10分

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