東京・浅草にある「浅草神社」は、江戸の風情が今も色濃く残る歴史ある神社です。
とくに毎年5月に行われる「三社祭」は、日本を代表する祭りとして知られ、その迫力と熱気は一見の価値あり。
また、徳川家光による寄進で建立された社殿は、350年以上の時を超えて現存する貴重な文化財でもあります。
本記事では、実際に現地を訪れて撮影した写真を交えながら、浅草神社の由緒や見どころ、三社祭の見どころ、そして御朱印の魅力まで詳しくご紹介します。
浅草神社の由緒と歴史

浅草寺のすぐ隣に位置し、今も「三社様」として親しまれている浅草神社。
その歴史は、仏と神が一体とされていた時代の信仰に深く根ざしています。
ここでは、浅草神社がどのようにして誕生し、地域に根付いてきたのか、その由緒と歴史を紐解いていきましょう。
観音示現と三社権現の由来
推古天皇の時代、628年の春。
漁師の檜前浜成・武成兄弟が隅田川で漁をしていた際、網にかかったのは魚ではなく一体の尊像でした。
これが後に聖観世音菩薩と判明し、兄弟はこれを大切に祀りました。
この尊像を見分けたのが、土師真中知であり、自宅を寺として供養を始めたのが浅草寺の起源です。
そして、後に観音菩薩の夢のお告げによって、三人の功績を称えた三社権現が創建されました。
これが浅草神社の始まりといわれてます。
神仏分離と「三社様」の名残
明治元年の神仏分離令によって、「三社明神社」と改称、明治6年には浅草の総鎮守として「浅草神社」と定められました。
今もなお、地元では親しみを込めて「三社様」と呼ばれています。
現存する社殿とその建築美

社殿は1649年、三代将軍・徳川家光によって建立寄進されたもので、権現造りの様式をとります。
拝殿・幣殿・本殿が一体となっていて、日光東照宮と同様の壮麗な構造です。
火災や震災、戦災を免れ現存し、1951年には国の重要文化財に指定。
1996年には総工費3億5千万円をかけて彩色・漆を補修し、鮮やかな姿によみがえりました。
三社祭とは?迫力満点の浅草最大イベント

毎年5月、浅草の街は熱気と歓声に包まれます。その中心となるのが、浅草神社の例大祭「三社祭」。
威勢のよい掛け声とともに練り歩く神輿、華やかな伝統芸能、そして町全体が一体となる賑わいは、まさに江戸っ子の心意気が感じられる一大行事です。
まずは、三社祭の開催日や基本的な流れからご紹介します。
三社祭の開催日とスケジュール概要
三社祭は、毎年5月第3週の金・土・日曜に行われる浅草神社の例大祭です。
氏子44ヶ町を中心に、3日間で約180万人が訪れる、日本屈指のお祭りです。
初日は大行列が町を練り歩き、「神事びんざさら舞」などの伝統芸能が奉納されます。
2日目は「例大祭式典」および町内神輿約100基の連合渡御。
そして3日目には、宮神輿「一之宮」「二之宮」「三之宮」が氏子地域を渡御するクライマックス「宮出し」「宮入り」が行われ、祭りの終幕を飾ります。
「大行列」や「びんざさら舞」の伝統芸能
大行列では鳶頭木遣りや芸妓連の手古舞、組踊りなどが披露されます。
「神事びんざさら舞」は、紅白の紙で撒いた籾を表現し、編木(ささら)を用いて五穀豊穣・悪霊退散を願う田楽舞で、東京都の無形民俗文化財にも指定されています。
宮神輿と魂振り
三社神輿は、神体の霊威を高めるために担がれる「御神霊の乗り物」です。
神輿を揺さぶる「魂振り」によって、豊作や疫病退散を願います。
現在の宮神輿は、昭和25年~28年にかけて氏子により奉納されたもので、細身の胴体に大きな蕨手が特徴。
一之宮は鳳凰、二之宮・三之宮は擬宝珠を頭に飾ります。
また、戦前には四之宮も存在していました。
町神輿として田町に作られたものの担ぎ手不足から浅草神社に奉納され、「暴れ神輿」として知られた存在でしたが、戦災で焼失しています。
浅草神社の御朱印と限定御朱印

浅草神社では、通常の御朱印以外にも、三社祭や夏詣、正月など行事に合わせた期間限定特別御朱印もあります。
色彩豊かな印や限定の意匠が施されることもあり、多くの参拝者が訪れます。
また、浅草神社は都内8社をめぐる「開運八社さんぽ(東京福めぐり)」の参加神社でもあります。専用の御朱印帳が用意されていて、開運八社東京福めぐりもおすすめです!
まとめ|三社様に願いを込めて、江戸の粋を感じる旅へ
浅草神社は、江戸時代の文化・信仰・芸能が息づく貴重なスポットです。とくに三社祭の熱気と歴史ある社殿の荘厳さは、実際に現地で体感する価値があります。
御朱印集めや歴史探訪に加え、東京の下町文化に触れられる絶好のスポットとして、ぜひ訪れてみてください。
そして、「東京福めぐり」でさらにご利益スポットを巡るのもおすすめです。ご利益と癒やしを同時に得られる、浅草の魅力をぜひ味わってみてください。
また、すぐ隣にある浅草寺と賑わう仲見世通りの雰囲気もあわせて楽しめば、より充実した浅草散策が叶います。
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浅草神社や浅草寺をじっくり巡るなら、浅草周辺に宿泊してゆったりと散策するのもおすすめです。