福岡市の東部、緑豊かな地に鎮座する【香椎宮(かしいぐう)】は、夫婦円満・家庭円満のご利益で知られる神社。
1800年以上の歴史を持ち、国内に16社しかない【勅祭社】のひとつとして、今もなお尊崇を集め続けています。
今回は、そんな香椎宮の見どころやご利益、アクセス情報まで、参拝前にチェックしておきたいポイントを詳しくご紹介します。
香椎宮(かしいぐう)とは?|ご祭神と歴史にふれる
香椎宮(かしいぐう)は、福岡市東区香椎に鎮座する神社で、創建はなんと西暦200年。
日本書紀や古事記にも登場する歴史ある神社です。
ご祭神は、第14代・仲哀天皇とその皇后・神功皇后。
「愛する夫と共に祀られたい」という神功皇后の願いから、香椎宮は“夫婦の宮”として親しまれ、夫婦円満や家庭円満の御利益を求める参拝者で賑わっています。
神社というよりも、最初は皇族の御霊を祀る「香椎廟」としてスタートしたのも特徴。
古くは神社ではなく霊廟に位置づけられていて、「香椎廟」や「樫日廟」と称されていました。
その歴史的背景が、いまなお境内に漂う厳かな空気につながっています。
国内に16社だけ!「勅祭社」に選ばれた香椎宮
香椎宮は、全国に16社しかない格式ある「勅祭社(ちょくさいしゃ)」の一社。
天皇が勅使を派遣して例祭を行う神社で、九州では【香椎宮】と【宇佐神宮】のみが選ばれています。
国内に16社しかない「勅祭社(ちょくさいしゃ)の」ひとつとして、現在でも10年に1度、勅使が遣わされています。
勅祭社(ちょくさいしゃ)とは
勅祭社とは、どのような神社かについて、少しふれておきましょう。
勅祭社(ちょくさいしゃ)とは
天皇が例祭などに勅使を派遣し、奉幣を行った神社。
古くは22社、明治時代には29社あったが、現在は、賀茂別雷神社・賀茂御祖神社・石清水八幡宮・春日大社など16社となった。
出典:小学館/デジタル大辞泉
現在の勅祭社は、下の表の16社で、九州では、福岡の香椎宮と大分の宇佐神宮の2社になっています。
社名 | 都道府県 | 社名 | 都道府県 |
賀茂別雷神社 | 京都府 | 靖国神社 | 東京都 |
賀茂御祖神社 | 京都府 | 明治神宮 | 東京都 |
石清水八幡宮 | 京都府 | 鹿島神宮 | 茨城県 |
平安神宮 | 京都府 | 氷川神社 | 埼玉県 |
春日大社 | 奈良県 | 熱田神宮 | 愛知県 |
橿原神宮 | 奈良県 | 出雲大社 | 島根県 |
近江神宮 | 滋賀県 | 宇佐神宮 | 大分県 |
香取神宮 | 千葉県 | 香椎宮 | 福岡県 |
香椎宮の見どころ
格式ある歴史を感じさせる香椎宮の境内には、思わず足を止めて見入ってしまうような見どころがたくさんあります。
ここからは、参道から本殿まで続く神聖な空間の魅力をご紹介していきます。
訪れる際は、ゆっくりと歩きながら、その一つひとつをじっくり感じてみてください。
勅使道の楠並木|神聖な空気を感じながら歩く
香椎宮の参道「勅使道(ちょくしみち)」は、約800mの美しい楠の並木道。
古来より勅使のみが通る“神の道”とされ、歩くだけで浄化されるような感覚になります。
都会の喧騒から一歩入るだけで、別世界の静けさに包まれます。
菖蒲池と弁財天社|初夏には「扇としょうぶ祭り」も

並木が終わり、大きな鳥居をくぐると菖蒲池があります。
菖蒲池の中央には、香椎宮創建当初からお祀りしていると伝わる「弁財天社」があります。
池のまわりでは6月に「扇としょうぶ祭り」が開催され、露店やステージイベントでにぎわいます。
四季折々の自然も楽しめる癒しのスポットです。

菖蒲池を進むと、いよいよ楼門に続く鳥居です。

現在の楼門は、天正時代に戦火によって焼失した楼門を地元の人たちの寄付で、明治時代に再建したものなのだそうです。
地元の方に愛され親しまれ続けていることが伺えます。
樹齢1800年の御神木「綾杉」|生命力を感じるパワースポット

楼門から拝殿へ向かう途中、中門の真ん前で参拝客の目を奪うのが、こちらの御神木「綾杉」です。
中門の前にそびえる巨大な御神木「綾杉(あやすぎ)」は、必見のパワースポットです。

樹齢1800年を超える御神木は、中門の前にまるで森があるかのように見えます。
通常の杉と異なり、葉が綾のように交互に生えており、見た目にも神秘的です。
葉の形が通常の杉とちがい、綾の様に交互に生えていることから「綾杉」と呼ばれるようになったと言われています。
この綾杉についての歌が詠まれています。
「千早振る香椎の宮の綾杉は神のみそぎに立てるなりけり」(新古今和歌集:詠み人知らず)
「秋立つや千早ぶる世の杉ありて」(夏目漱石)

綾杉は、何度も火災に見舞われて焼けていますが、その度に新しい芽が出て、今のような大木に成長したと言われています。
一度折れてしまった枝が、空に向かって力強く伸びていっています。力強さと生命力すごいです!
子育て・安産のご利益「鶏石神社」

御神木「綾杉」の側に2つの小さな神社があります。
上の写真、左は稲荷神社です。
右が「鶏石神社(けいせきじんじゃ)」です。
鶏石神社は、江戸時代の書「雲根志」によると、その死を憐れんだ僧侶によって、石になった鶏が祠にお祀りされたことが起源とされる伝説が残るユニークな神社です。
鶏がたまごを産んで、そのたまごが孵化するように、形のないところから物事が成就する修理固成の御神徳があるそうです。
また、鶏は夜鳴かないことから、子どもの育児や夜泣きにもご利益があると言われます。
国内唯一の建築様式「香椎造り」本殿|国の重要文化財

香椎宮と言えば、美しい朱色の本殿が有名です。
香椎宮の本殿は、美しい朱色の社殿で【香椎造り】という独自の建築様式。
入母屋造と切妻造を融合させた複合様式で、全国でもここだけ。
国の重要文化財にも指定されており、歴史的価値と美しさを兼ね備えています。
※2022年からの大規模改修を経て、2023年秋にリニューアルされました。鮮やかに蘇った本殿は必見です!
香椎宮アクセス
今回、博多から香椎宮にいどうしたのですが、博多駅からはJR鹿児島本線に乗車します。
そして、香椎神宮前駅からの方が歩く距離は短いですが、「香椎駅」で下車して香椎線に乗り換えることになるので、結局「香椎駅」から歩きました。

途中、上の写真の「官幣大社香椎宮近道」と書かれた「道案内なの?社標なの?」と謎の社号標がたっていました。
近道とは書かれていましたが、Googleマップの案内に従って写真に写っている道路をそのまま進んだのですが、ここからまだまだ歩きました。
「いったいあれは何だったのか?」と不思議だったので、帰り道でもう一度見てみると、この社号標の左わきに下っていく道があり、小川沿いを歩ける小道に繋がっていました。
地元の方がそちらの道に吸い込まれて行っていたので、おそらく近道なんでしょうww
まとめ|香椎宮で夫婦の絆と心の癒しを感じてみて
格式高く、それでいて地元に愛される香椎宮。夫婦・家族の願いごとや心の安らぎを求めて、ぜひ一度足を運んでみてください。
福岡観光の合間にも立ち寄りやすい立地で、静かに歴史と自然を感じられる神社です。
香椎宮を参拝したら、こちらもオススメの参拝スポットですので参考にしてみてください。
▶ 宮地嶽神社|“光の道”で話題の絶景スポット
▶ 水鏡天満宮|天神のど真ん中にたたずむ天満宮
▶ 太宰府天満宮|全国の天神さまの総本宮
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