奈良観光で外せないスポットのひとつが「春日大社」。
古都奈良の文化財として世界遺産に登録されているだけでなく、朱塗りの社殿や神秘的な春日灯籠、豊かな自然に囲まれたパワースポットとしても人気です。
今回は、春日大社の見どころや御朱印情報、アクセス方法、周辺のおすすめ観光スポットまで詳しくご紹介します。
春日大社の歴史
春日大社は全国に約1,000社ある春日神社の総本社です。
春日大社の創建は、神護景雲2年(768年)の奈良時代に遡ります。
藤原氏の氏神を祀るために建てられた春日大社は、平安時代以降、朝廷や貴族から篤く信仰されてきました。
春日大社に祀られる主祭神は4柱で、総称して春日神と呼ばれます。
~春日神~
武甕槌命(たけみかづちのみこと)- 第一殿、常陸国鹿島の神
経津主命(ふつぬしのみこと)- 第二殿、下総国香取の神
天児屋根命(あめのこやねのみこと)- 第三殿、藤原氏の祖神
比売神(ひめがみ)- 第四殿、天児屋根命の妻
武甕槌命は、鹿に乗って奈良の地へやってきたとされ、この伝説が奈良公園の鹿が神使とされる由来となっています。
時代が移るにつれて春日大社は、多くの人々の信仰を集め、藤原氏の繁栄とともに社殿の造営が繰り返されました。幾度となく修復が行われ、現在にその壮麗な姿と歴史を伝え続けています。
1998年には「古都奈良の文化財」の一部として世界遺産に登録され、日本の歴史と文化を今に伝える貴重な場所となっています。
春日大社の基本情報・アクセス
- 住所:奈良県奈良市春日野町160
- 参拝時間:6:30~17:30(時期により変動)
- 拝観料:無料(本殿特別参拝は500円)
- 公式サイト:春日大社公式ホームページ
- アクセス:JR・近鉄奈良駅からバスで約5分、徒歩約25分
春日大社は、奈良公園と隣接しています。参道を歩くと、緑豊かな森の中に神秘的な雰囲気が漂い、古来からの信仰の厚さを感じられます。
アクセスはJR・近鉄奈良駅からバスで約5分、徒歩なら25分ほどの距離です。
春日大社だけを参拝するのであれば、奈良駅から徒歩約25分歩くのは少々きつく感じますが、奈良公園は広範囲にわたり、東大寺や興福寺、春日大社など多くの文化遺産を含む広大な場所です。
あわせて東大寺や興福寺、それに公園で鹿と戯れる時間も欲しい!と、考えているなら、駅から寄り道しながら歩くのもいいですよ!
春日大社の見どころ
春日大社には、多くの見どころが点在しています。
朱塗りの美しい社殿や、参道に並ぶ無数の灯籠、神秘的な森に囲まれた神聖な空間は、訪れる人々を魅了します。
また、摂社・末社を巡ることで、より深く春日大社の歴史とご利益を感じることができます。
ここでは、春日大社を訪れたらぜひ見ておきたいポイントをご紹介します。
朱塗りの社殿と春日造の本殿


表参道を歩いてくると南門があらわれます。
高さは12mあり春日大社最大の楼門で、春日大社の正門の性格を持つ門となっています。


南門をくぐると、目の前に鮮やかな朱色が特徴的な春日大社の回廊と社殿が建っています。
この色は、邪気を払うとされ、神聖な空間を演出する役割も果たしています。
本殿は「春日造」と呼ばれる独自の建築様式で、繊細な装飾が施されており、長い歴史の中で何度も再建されながらもその美しさを保ち続けています。
春日造の5つの特徴
①朱色(丹塗り): 社殿は赤い色で塗られています。これが春日大社の特徴の一つです。
②屋根の形: 屋根は優美な曲線を描き、片流れの形をしています。つまり、屋根が左右に反っていて、正面に片側だけが流れます。
③切妻造・妻入: 屋根の形が三角形(切妻)で、正面に屋根が張り出している(妻入)形です。
④小規模で四棟並び: 本殿は小さくて、同じ大きさの四棟が並んでいます。各棟には異なる神様が祀られています。
⑤高床式: 社殿は高くて、階段を上がる必要があります。
回廊と約3,000基の春日灯籠


春日大社の境内には、約3,000基の石灯籠と釣燈籠が並んでいます。
これらは参拝者からの奉納によるもので、長い年月をかけて増えてきました。
特に、毎年2月と8月に行われる「万灯籠」の際には、すべての灯籠に火が灯され、幻想的な光景が広がります。
約3,000基の春日灯籠のうち、多くの灯籠が春日大社の回廊にかけられています。


春日大社の回廊は、本殿という一番大切なお社(おやしろ)をぐるっと囲んでいる、屋根のついた廊下のようなもので、雨や風から本殿を守る役割があります。また、回廊は、お参りする人が本殿の周りを歩くための道になります。
回廊の3つの特徴
①朱色(赤色):回廊は、鮮やかな朱色(赤色)で、魔除けの意味があると言われています。
②たくさんの灯籠:回廊には、たくさんの灯籠(とうろう)かかっています。
③回廊は、東、西、南、北の四つの方向を巡る建物になっています。
若宮神社と摂社・末社巡り
春日大社の境内には、60以上の摂社・末社が点在しています。
中でも若宮神社は特に有名で、開運や厄除けのご利益があるとされています。
春日大社の南側に位置しています。
若宮神社は、1135年に藤原氏の重要人物で、平安時代に摂政・関白を務めた藤原忠通によって創建されました。
創建当初は、人々の病気平癒や五穀豊穣を祈るために建てられました。その後、芸能の神としても信仰を集めるようになり、現在に至っています。
毎年12月17日に行われる若宮祭は、春日大社の重要な祭りの一つです。この祭では、古式ゆかしい装束を身に着けた人々が、神楽や田楽などの芸能を奉納します。
石灯篭が並ぶ参道と鹿と共存する神聖な森


春日大社の周辺には奈良公園が広がり、神の使いとされる鹿たちが自由に歩いています。


鹿は、春日大社の御祭神・武甕槌命が鹿に乗って奈良へやってきたという伝説から神の遣いとされています。
手水舎でも鹿が出迎えてくれますよ!


緑豊かな木々に囲まれた場所に、苔むした石灯籠がずらりと並んでいます。
それぞれの灯籠は長い年月を経たことがわかる風格があり、苔が灯籠の上部や側面に生い茂り、灯籠は整然と並びながらも、自然の中で静かに佇んでいる様子が感じられます。
背後には木漏れ日が差し込み、幻想的な雰囲気を醸し出しています。落ち着いた日本の風景を肌で感じられる場所です。
春日山原始林と自然のパワー
春日大社の背後には、春日山原始林が広がっています。
この森は、春日大社の神域として古来から保護されてきました。
841年に禁伐令が敷かれ、以降、一部の植樹や補植が行われたことはありますが、約1,000年以上にわたって、ほとんど人の手が加えられずに自然に成長してきました。
春日大社の周辺観光スポット
春日大社の参拝とあわせて訪れたいのが、東大寺や興福寺、ならまちの町屋カフェなどのスポットです。
東大寺の大仏や興福寺の五重塔は、奈良の歴史を感じるには欠かせない場所ですので、ぜひ合わせて参拝してみてください!
▼東大寺についてはこちら!


▼興福寺については詳しくはこちら!


「ならまち」では、昔ながらの町屋を利用したカフェやショップが並び、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
私がオススメしたいのは、【茶論 奈良町店】中川政七商店が運営する季節の和菓子とお抹茶のセットがいただけるお店です。穏やかな空気の流れる中で、いただくお抹茶は最高の癒しになりますよ!
まとめ
春日大社は、奈良の歴史と自然が融合した神秘的なスポットです。
長い歴史の中で信仰を集めてきた社殿、灯籠、鹿とのふれあいなど、訪れるたびに新たな発見があります。
奈良公園や東大寺と合わせて訪れることで、奈良の魅力を存分に味わえることでしょう。次の旅行先に、ぜひ春日大社を加えてみてください。