日本には、大晦日や初詣、七五三など、多くの年中行事で神社やお寺に行く風習が残っています。
なんとなく違うとは思うけど、神社とお寺の違いって、今ひとつハッキリ分からないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、神社とお寺の大きく違いを分かりやすく、5つのポイントに分けて解説します。
目次
神社とお寺の違い
日本では、古来から山や川、草木石などの万物に魂が宿るとされ、「八百万(やおよろず)の神」と言われる神々を崇拝してきました。
神社は、その神々が宿る神聖な場所に、祭壇を設けたところから、発展していったものだと言われています。
そして、ブッダが開祖で、538年に伝来した「仏教」の教えに基づいて建てられたのがお寺とされています。
「神社」と「お寺」大きな5つの違い
では、どのような違いがあるのか?
その大きな違いを5つ見ていきましょう。
信仰対象:違い①
まずは、最初の違いは、祀られている信仰の対象です。
【神社】神様
【寺】仏様
神社には、
日本古来から崇拝されてきた八百万(やおよろず)の神様が、祀られています。
神様(ご神体)は、本殿という参拝者からは見えない場所に祀られているため、直接神様(ご神体)を見て拝むことはできません。
お寺には、
お釈迦様や観音様などの仏様が、祀られています。
絶対秘仏や秘仏と言われ特別な時にしか見られない仏像もありますが、基本的に仏像として祀られている仏様を見て拝むことができます。
宗教:違い②
信仰対象が違うということは、もちろん宗教も違います。
【神社】神道
【寺】仏教
神社は神道で、
神社にはいる神主(かんぬし)・宮司(ぐうじ)・巫女(みこ)は、神様にお仕えしています。
お寺は仏教で、
お寺にいる「お坊さん」と呼ばれる、僧侶(そうりょ)・住職(じゅうしょく)・尼僧(あまそう)などは、お寺でお勤めや修行をしています。
経典:違い③
宗教が違いますので、経典が違います。
【神社】ない
【寺】ある
神社には経典はありません。
神社に行ってお祓いを受けるときなど「祝詞(のりと)」をあげていただきますが、この祝詞(のりと)は経典ではありません。
祝詞(のりと)とは、祭典に奉仕する神職が神様に奏上する言葉のことで、霊力が宿り、口に出されることで、霊力が発揮されるほど強いものなのだと言われています。
お寺は修行の場で、経典があります。
仏教の経典は、非常に数がおおいことから「八万四千の法門(はちまんよんせんのほうもん)」と言われます。
経典は、経蔵(きょうぞう)、律蔵(りつぞう)、論蔵(ろんぞう)という三つの内容に分けることができ、これらを三蔵(さんぞう)といいます。
日本に伝わっている経典のおおくは、大乗経典です。
その中のひとつでよく知られているのが「般若心経(はんにゃしんぎょう)」です。
日本人にとって一番なじみのある経典ではないでしょうか。
建物:違い④
その建物にも違いがあります。
【神社】鳥居
【寺】門
ほとんどの神社には、その入り口に鳥居が建っていて狛犬が並んでいます。
建物は宮大工により建築、補修されている日本古来の建築様式による木造も多く見られます。
お寺は、入り口に山門や仁王門と呼ばれる門があります。
鐘や塔を備えて、ご本尊、仏像などが公開されている場合がおおいです。
例外もありますので、注意してください。
以前、おまいりの漢字の違いについての記事でも触れましたが、神仏混合だった時代の名残で、今でも鳥居があるお寺や神社をお守りしているお寺も残っています。
気になる方は、こちらの記事も読んでみて下さい。
参拝方法:違い⑤
【神社】拍手する
【寺】拍手しない
さり気に、この違いは大きいですよね。
神社仏閣巡りをしていて神社の後にお寺を参拝したときに、ついを堂々と拍手をしてしまい、周りの方に「えっ?」って顔をされた経験があります。
神社では、二礼・二拍手・一礼が基本です。
ただし、例外があります。
たとえば、出雲大社や宇佐神宮では「二礼・四拍手・一礼」となります。
出雲大社では、5月14日に行われる例大祭では、四拍手がさらに増えて八拍手になります。私の場合は、もうこうなってくると数を打ち間違ってしまう自信ありです。
それに対し、お寺では、拍手はせず静かに合掌をします。
巡礼をされている方など、お堂前でお経を唱えられてから、お参りした証として納経帳に宝印(御朱印)を受けます。
まとめ
神社とお寺の違いについてお届けしました。
それでは、まとめです。
神社 | 寺 | |
信仰対象 | 神様 | 仏様 |
宗教 | 神道 | 仏教 |
経典 | なし | あり |
建物 | 鳥居 | 門 |
参拝方法 | 拍手 | 合掌 |
簡単な表にまとめてみましたが、それぞれ時代の流れや地域などによる例外もあり、必ずこうなっているというわけではない部分もあります。
お寺にあるはずの建造物が神社にあったり、お寺の中に神社や鳥居があるのを見たら、それは神仏混合や神仏分離の時代の名残でしょう。
神社やお寺を訪れたときに、その違いを楽しみながら、時代の流れを感じてみるのも良いのではないでしょうか?