幸せを引き寄せる!運気も幸福もアップする日本の“縁起物”徹底解説

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縁起物(えんぎもの)は、古くから日本文化の中で大切にされてきた「幸せを呼び込むアイテム」です。

新年やお祝いごと、日々の生活の中で、私たちの願いや思いを込める対象として親しまれています。

身近に見かける縁起物も、その背景や意味を知ると、日本の歴史や風習にさらに親しみを感じられるかもしれません。

この記事では、代表的な縁起物やその意味、由来について詳しくご紹介します。

目次

縁起物とは?

「縁起物」とは、幸運や繁栄、健康など良いことをもたらすとされる物や行為を指します。

その名の通り、「縁起が良い」ものを意味し、新年の行事やお祝い事に用いられるほか、日常生活で飾られることも多いアイテムです。

もともと「縁起」という言葉は、仏教に由来し、「因縁が結びついて結果を生む」という考えを指しました。これが転じて、「良いきっかけ」や「幸せな出来事を引き寄せる象徴」という意味で使われるようになりました。

縁起物の種類とその意味

縁起物には、さまざまな種類があり、それぞれに込められた深い意味があります。

ここからは、代表的な縁起物を一つずつご紹介し、その背景や飾り方について詳しく見ていきましょう。

熊手(くまで)

熊手は、竹でできた掃除用具として知られていますが、「福をかき集める」ということで、商売繁盛や金運を願う人々にとって欠かせない縁起ものです。

関東では特に11月の「酉の市」で熊手を求める人々で賑わいます。

関西では1月の「えべっさん」(十日戎)の際に縁起物として熊手が人気で、十日戎では福笹とともに授与される熊手が、商売繁盛や福をかき集める象徴として親しまれています。

十日戎について詳しくは下の記事で紹介しています

熊手の由来と飾り方

熊手は、もともと農具や武器として使われていました。

江戸時代になると、商人たちが熊手を縁起物として扱い始め、豪華な飾りを施す習慣が定着しました。その派手さは福を「掻き込む」勢いを象徴しています。

熊手は、店舗や家庭の清浄な場所に飾りましょう。

毎年新しい熊手に交換するのが良いとされています。古いものは神社に返納してお焚き上げを依頼します。

破魔矢(はまや)

破魔矢は「魔を破り、災いを祓う」力を持つとされる矢です。

正月の神社で授与され、その年の無事と幸福を祈るために飾られます。

破魔矢の由来と飾り方

かつて破魔矢は弓とセットで「破魔弓」として用いられていました。

弓矢は悪霊を追い払う道具として重宝され、後に年占いや子供の健康祈願としても広まり、江戸時代からは装飾された矢のみが簡略化されて授与されるようになりました。


破魔矢は、神棚や玄関、リビングの清潔な場所に飾ります。

矢先を外に向けて、家を守る魔除けとして用いるのが一般的です。

招き猫(まねきねこ)

招き猫は、片手を挙げたポーズでおなじみの縁起物です。

挙げている手や体の色によっても異なる意味を持つことが特徴です。

  • 右手を挙げた招き猫:金運や商売繁盛を招く。
  • 左手を挙げた招き猫:人との縁を招く。
  • 両手を挙げた招き猫:福徳両全の象徴。

また、色によっても効果が異なります。

例えば、白は福を招き、黒は厄除け、金は金運を意味します。

招き猫の由来と飾り方

招き猫の発祥地とされる豪徳寺(東京都世田谷区)には、猫が井伊直孝を雨から救ったという逸話が伝えられています。

この猫が「福を招く猫」として象徴化されたのが始まりと言われています。


招き猫は、家の玄関や店舗の入り口に飾り、福や運を呼び込むとして親しまれています。

達磨(だるま)

赤い丸い体が特徴のだるまは、「七転び八起き」の象徴として不屈の精神や成功祈願を表します。

その赤い色は、魔除けや疫病除けの意味も持ちます。

だるまの由来と使い方

だるまの起源は、インドの禅僧である達磨(だるま)大師をモデルにしています。

江戸時代以降、日本で縁起物として広まり、現在では受験や商売繁盛などさまざまな場面で用いられています。

ダルマは、願い事をする際に片目に黒目を描き、願いが叶ったらもう片方に目を入れる習慣があります。

▼京都のだるま寺として有名な法輪寺について詳しくは下の記事で

▼大阪で勝ちダルマが並ぶ勝尾寺について詳しくは下の記事で

鶴と亀

「鶴は千年、亀は万年」と言われるように、鶴と亀は長寿と健康の象徴です。

結婚式や長寿祝いの飾りとしても用いられる定番のモチーフで、それぞれ以下の意味があります。

  • :夫婦円満や繁栄を象徴。
  • :知恵や金運の象徴でもあります。

縁起物としての鶴と亀は、中国の思想から日本に伝わり、吉祥を表す動物として親しまれるようになりました。

門松

門松は日本独自の正月行事の象徴であり、飾ることで年神様を迎え入れ、その加護を受けるという願いが込められています。

門松は正月のシンボルとして、家の門や玄関に飾られます。

年神様をお迎えするための目印とされ、松や竹、梅が使われ、それぞれに以下のような意味があります。

  • :不老長寿
  • :生命力と成長
  • :繁栄と出世

門松の飾り方

門松は通常、家の玄関や店舗の入り口の両側に一対で飾ります。

一対で飾るのは、「片方が年神様の依り代、もう片方が迎え入れるため」と言われています。

門松は12月26日から28日までに飾るのが良いとされていますが、12月29日は、数字の語呂合わせで「二重苦」とされ、縁起が悪いので避けます。また、12月31日は、一夜飾りとなり「神様をおろそかにしている」と見なされるためNGと言われます。

門松の竹の切り口や装飾が家の外側を向くように設置します。

これは、年神様を外から招き入れるためとされています。

七福神

七福神は、幸福をもたらす7柱の神々です。船に乗った「宝船」の絵としても馴染みがあります。

それぞれ異なるご利益を持ち、日本では商売繁盛や長寿、家庭円満など、幅広い願いを叶える象徴として親しまれています。

以下に、七福神の特徴とご利益を簡潔にまとめます。

大黒天(だいこくてん):五穀豊穣や商売繁盛、金運向上の神様です。米俵の上に立ち、大きな袋と打ち出の小槌を持つ姿が特徴的です。インドの神様がルーツですが、日本では農業や台所を守る存在として広まりました。

毘沙門天(びしゃもんてん):勝負運や金運、武運長久のご利益を持つ神様です。甲冑をまとい、宝塔や槍を持つ勇ましい姿で描かれ、戦国武将たちにも信仰されていました。

恵比寿天(えびすてん):商売繁盛、大漁祈願、家内安全をもたらす神様です。釣り竿と鯛を持った親しみやすい姿が特徴で、日本固有の神様として、特に漁業や商業を支える存在として崇められています。

弁財天(べんざいてん):財運や学問成就、芸能上達のご利益を持つ女神です。琵琶を持った美しい姿が特徴で、インドの川の女神サラスヴァティーが原型となっています。芸術や学問の守護神として信仰されています。

寿老人(じゅろうじん):延命長寿と健康祈願の神様で、杖を持ち、鹿を従えた姿で描かれます。中国の道教に由来し、人々に長寿の徳を与えるとされています。

福禄寿(ふくろくじゅ):子孫繁栄、財運、健康長寿のご利益を持つ神様です。長い頭と笑顔が特徴的で、幸福(福)、財産(禄)、長寿(寿)の象徴とされています。

布袋尊(ほていそん):開運や夫婦円満、子宝の神様です。大きなお腹と布袋(袋)を持った姿が親しまれており、中国の禅僧がモデルとされています。「笑う門には福来たる」の象徴として知られています。

京都の都七福神めぐりについて詳しくはこちら

縁起物の食べ物

日本では食べ物にも縁起が込められ、特別な意味を持つものが多くあります。

お正月の「おせち料理」をはじめ、さまざまな行事で食べられる縁起の良い食べ物について詳しく見ていきましょう。

お正月の縁起物:おせち料理

おせち料理は、年の初めに家族の健康や繁栄を願う日本の伝統的な料理です。一つひとつの料理に意味が込められています。

  • 黒豆:「マメに働く」「健康でいられる」ことを祈る料理です。黒は魔除けの色とされ、邪気を祓うとも言われます。
  • 数の子:たくさんの卵が詰まった数の子は、子孫繁栄の象徴です。特に新婚家庭では縁起物として喜ばれます。
  • 昆布巻き:「よろこぶ」の語呂合わせから、喜びごとが多い一年になることを願います。また、巻物の形状が知識を表すとされ、学業成就の祈りも込められます。
  • 伊達巻:巻物の形が学問や知識の象徴とされます。ふわふわとした甘い味わいで、子どもたちにも人気の一品です。
  • 栗きんとん:黄金色の見た目から「金運」を象徴します。商売繁盛や財運向上を願う料理です。
  • 海老:長いひげと曲がった腰が老人を連想させ、長寿の象徴とされています。「腰が曲がるまで長生き」を願います。

季節行事と食べ物の縁起物

お正月以外にも、季節ごとに縁起の良い食べ物が行事と結びついています。

七草粥(1月7日):お正月明けに食べる七草粥は、無病息災を願い、胃腸を休める役割があります。春の七草(セリ、ナズナ、ゴギョウなど)が使われます。無病息災を願う七草粥と小豆粥の記事でもご紹介しているので、詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。

恵方巻き(節分):節分に食べる太巻き寿司で、恵方(その年の吉方位)を向きながら願い事をして一気に食べると縁起が良いとされています。関西の節分祭についてはこちらもぜひ読んでみてください。

柏餅(端午の節句):柏の葉で包んだ餅は、子孫繁栄や家族の無事を願うもの。柏の葉が「新しい芽が出るまで落ちない」ことにちなんでいます。

紅白餅(祝い事全般):赤と白の色合いがめでたさを象徴し、結婚式や長寿祝い、地域の行事などで配られます。

日常に根付く縁起物の食べ物

お祝い事だけでなく、日常生活にも縁起の良い食べ物があります。

  • :「めでたい」という語呂合わせで、お祝いの席に欠かせません。紅白の体色やその美しい姿も縁起が良いとされています。
  • :お正月の鏡餅や「一生餅」などが象徴的で、家庭円満や長寿を願います。
  • 日本酒:祝いの席で欠かせないお酒。鏡開きなど、樽酒を使った儀式も多く行われます。

これらの縁起物の食べ物は、ただの料理ではなく、日本人の願いや祈りが込められた文化そのものです。今年はぜひ、季節の行事に合わせ、縁起の良い食べ物を取り入れてみてはいかがでしょうか?

縁起物を取り入れるコツ

飾る場所を清潔に:縁起物は神聖なアイテムです。神棚や玄関、リビングなど清潔な場所に飾りましょう。
年に一度新調する:破魔矢や熊手など、毎年新しいものを迎え、古いものは神社で返納するのが習慣です。
贈り物に最適:結婚祝いや新築祝いなどに縁起物を贈ると、相手に喜ばれます。

縁起物は、日本の歴史や文化、そして人々の願いを象徴するものです。

家庭に取り入れたり、大切な人への贈り物として活用することで、生活に少しの幸運や安心感をもたらしてくれるでしょう。

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