京都・西陣にある「首途八幡宮(かどではちまんぐう)」は、旅の守護神として知られる由緒ある神社です。
この地は、源義経(牛若丸)が奥州平泉へと旅立つ際に参拝した場所として有名で、旅行安全や新たな門出の成功を祈る多くの人々が訪れています。
歴史ある首途八幡宮は、旅立ちの象徴ともいえるスポット。今回は、その魅力やご利益、アクセス情報をご紹介します。
ぜひ次の旅の計画に加えてみてはいかがでしょうか?
義経の旅立ちと首途八幡宮の由来

首途八幡宮の起源は平安時代に遡り、大分県宇佐八幡宮から勧請された御神霊を祀る神社として創建されました。
もともとは「内野八幡宮」と呼ばれ、平安京の大内裏の北東に位置していたことから、王城鎮護の神として人々の信仰を集めていました。

現在の「首途八幡宮」という名前は、1174年に源義経がこの地を訪れたことに由来します。
鞍馬山で修行していた義経は、父・源義朝の仇を討つため奥州平泉へ旅立つ前に、商人・金売吉次の屋敷近くにあったこの神社で道中の安全を祈願しました。
「首途(かどで)」とは「出発」を意味し、この故事から旅立ちを祈願する神社として親しまれるようになりました。
境内には「源義経奥州首途之地」と刻まれた石碑が立ち、義経の足跡を偲ぶことができます。
八幡神の神使い「鳩」が迎える癒しの境内
首途八幡宮の境内を歩くと、鳩のモチーフが目に留まります。
八幡神の神使いとされる鳩は、手水舎や門扉、絵馬など、随所に描かれています。
一説によると、宇佐八幡宮から石清水八幡宮へ八幡神を勧請する際、白い鳩が道案内をしたという伝承があるそうです。
また、旅行安全のご利益がある「鳩守り」をはじめ、「鈴守り」や「繭守り」など、旅先での安心や開運を願うお守りが充実しています。
特に「繭守り」は、西陣の織物文化を反映したデザインで人気があります。
家運繁栄や新しい門出を祝う贈り物としてもおすすめです。
首途八幡宮|四季折々の美しさと祭り

首途八幡宮では、春になると桃の花が境内を彩ります。
源義経が旅立ったとされる時期にちなんで、毎年4月には「義経 首途祭(かどでさい)」が開催され、義経の御霊を慰める神事が行われます。
この祭りでは、平安時代から続く歴史と義経の伝説に思いを馳せることができます。
また、夏には鮮やかな赤い花を咲かせる百日紅(さるすべり)、秋には紅葉、冬には雪景色と、訪れる季節ごとに異なる趣を楽しむことができます。