東京で合格祈願といえば、真っ先に名前が挙がるのが「湯島天満宮(湯島天神)」。
学問の神様・菅原道真公を祀るこの神社には、毎年多くの受験生が訪れ、合格を祈願する絵馬がずらりと並びます。都内でも有数の梅の名所としても知られ、歴史ある境内には個性豊かな3つの坂道が。
今回の記事では、実際に現地を訪れて撮影した写真とともに、湯島天満宮の魅力をたっぷりご紹介します。
湯島天満宮とは?|学問の神様・菅原道真を祀る歴史ある神社

湯島天満宮の創建は、雄略天皇二年(458年)とされ、当初は天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)を祀っていました。
その後、正平十年(1355年)に地元の人々が菅原道真公を慕い、文道の祖として合祀。
文明10年(1478年)には太田道灌が社殿を再建し、徳川家康が江戸入城後は特に崇敬を深めました。
学者や文化人たちの参詣も多く、林道春・新井白石なども名を連ね、江戸文化の中心のひとつとしても栄えた神社です。
湯島天満宮の歴史とご祭神|江戸文化の中心として愛された神社
江戸時代には縁日が開かれ、芝居や植木市、富突(とみつき)と呼ばれる今でいう宝くじのような催しも行われていました。
境内は広重の「江戸百景」などにも描かれ、庶民の憩いの場でありながら、格式ある学問成就の場としても多くの人々を惹きつけてきました。
また、境内にある「奇縁氷人石」は、迷子の情報を貼り出す掲示板として利用されていた名残で、江戸の境内が賑わっていたことが今に伝わる歴史的スポットです。
境内の見どころ|写真映えする歴史的スポットと梅の名所

まず目を引くのが銅製の「表鳥居」。
寛文7年(1667年)に奉納されたこの鳥居は、都内に残る最古級の鋳造鳥居で、東京都指定有形文化財にも指定されています。
また、湯島天神といえば、なんといっても「梅」。
例年2月中旬から境内は可憐な白梅・紅梅に彩られ、多くの参拝客や写真愛好家で賑わいます。
梅まつりの時期には、梅と社殿のコントラストが非常に美しく、まさに“学問の花道”といえる光景が広がります。
合格祈願といえば湯島天満宮|“学問のみち”を歩いてさらにご利益アップ

東京で合格祈願といえば、やはり学問の神様・菅原道真公を祀る「湯島天満宮」。受験シーズンには、多くの受験生が訪れ、合格祈願の絵馬がずらりと並ぶ光景が見られます。
特に注目したいのが、「学問のみち」と呼ばれる参拝ルート。
東京メトロ・仲御徒町駅から湯島天満宮まで約700メートルにわたるこの通りは、合格祈願のパワースポットとして知られ、通って参拝するとさらにご利益があるとも言われています。
湯島天満宮の周辺には、東京大学やお茶の水女子大学などの難関大学も多く、地元の学生たちからも篤く信仰されているのが湯島天満宮の特徴。
道沿いには老舗の和菓子店や喫茶店、レトロな洋食屋なども点在し、参拝後のひと休みにもぴったりのエリアです。
男坂・女坂・夫婦坂――湯島天神を囲む坂の風景

湯島天神には、個性の異なる3つの坂道が存在します。
それぞれに異なる歴史や趣があり、ただの通り道としてではなく、湯島の風情や土地の記憶を感じられるスポットです。
坂の名前にも、それぞれ意味があり、歩きながらその背景に思いを巡らせるのも楽しみのひとつ。訪れた際には、ぜひ時間をかけて坂道の表情を味わってみてください。
男坂(天神石坂)は、38段の石段で、一歩一歩がしっかりした急坂。参拝前に気を引き締めるにはぴったりの坂です。
女坂は、ゆるやかな坂。段差が少なく、景色を楽しみながらのんびり登れるルートで、特に梅の季節にはおすすめです。ゆるやかな分、男坂よりは長い印象です。(※写真は女坂)
夫婦坂は、男坂・女坂よりも後に設けられた坂で、境内の登竜門から本殿裏へと通じるルートとなっています。傾斜が男坂と女坂の中間ぐらいのため「夫婦坂」と名付けられました。カップルや夫婦で一緒にこの坂を歩くと良縁や円満のご利益があるとも言われています。
それぞれの坂に込められた歴史に思いを馳せながら歩くことで、参拝の意味もより深まるはずです。
湯島天満宮 基本情報・アクセス
湯島天満宮は、東京にありながら歴史や文化の香りが色濃く残る“知の聖地”。受験シーズンはもちろん、梅の季節や静かに自己成長を祈りたいときにぴったりの場所です。
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