「神社」「神宮」「大社」「宮」ってどう違うの?社号の意味と由来をわかりやすく解説

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普段「神社」とひとくくりに呼んでいるあの場所。実は、名前に注目すると「神宮」「大社」「宮」といった違いがあるのをご存知ですか?

今回は、神社の“社号(しゃごう)”と呼ばれるこの違いについて、由来や意味、代表的な神社を交えながらわかりやすくご紹介していきます。

目次

「神社」「神宮」「大社」「宮」それぞれの呼び方と代表的な神社

「神社」と聞くと一つの分類のように思えますが、実際にはそれぞれ意味や背景が異なります。まずは各社号の神社を例に見てみましょう。

神社とは?全国に最も多く存在する一般的な社号

「神社」は、日本各地に数多く存在する最も一般的な社号です。特に決まった基準があるわけではなく、広く神様を祀る場所の総称として用いられます。

たとえば以下のような神社が有名です。

八坂神社(京都府京都市)
 祇園祭で知られ、縁結びや厄除けのご利益があります。
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嚴島神社(広島県廿日市市)
 海に浮かぶ大鳥居で有名な世界遺産。航海安全、商売繁盛、縁結びなど多くのご利益があります。
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下鴨神社(京都府京都市)
 正式名称は「賀茂御祖神社」。縁結びや安産などにご利益あり。
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神宮とは?皇室ゆかりの神を祀る特別な神社

「神宮」は、天皇や皇室の祖神など、特別な神様をお祀りする格式高い神社です。全国で24社あります。

代表的な神宮には以下のようなものがあります。

伊勢神宮(三重県)
 皇室の祖神・天照大神を祀る、日本最高位の神社

明治神宮(東京都)
 明治天皇を祀る近代の神宮

平安神宮(京都府)
 桓武天皇を祀る、平安京遷都ゆかりの神宮
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橿原神宮(奈良県)
 初代天皇・神武天皇を祀る神宮
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水無瀬神宮(大阪府)
 後鳥羽天皇を祀る神宮
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以下に一覧にしました。(()内、祭神記載)

  1. 伊勢神宮(天照大神、豊受大神)
  2. 伊弉諾神宮(伊弉諾尊)
  3. 霧島神宮(瓊瓊杵尊)
  4. 鹿児島神宮(穂々出見尊)
  5. 鵜戸神宮(鸕鶿葺不合尊)
  6. 英彦山神宮(天忍穂耳尊)
  7. 橿原神宮(神武天皇)
  8. 宮崎神宮(神武天皇)
  9. 氣比神宮(伊奢沙別命)
  10. 宇佐神宮(応神天皇)
  11. 近江神宮(天智天皇)
  12. 白峯神宮(崇徳天皇)
  13. 平安神宮(桓武天皇)
  14. 赤間神宮(安徳天皇)
  15. 水無瀬神宮(後鳥羽天皇)
  16. 吉野神宮(後醍醐天皇)
  17. 北海道神宮(明治天皇)
  18. 明治神宮(明治天皇)
  19. 熱田神宮(天叢雲剣)
  20. 石上神宮(布都御魂)
  21. 國懸神宮(日矛鏡)
  22. 日前神宮(日像鏡)
  23. 鹿島神宮(武甕槌神)
  24. 香取神宮(経津主神)

大社とは?特定の神様を中心とした総本社的な存在

「大社」は、かつての格式において出雲大社だけが名乗っていた特別な社号でしたが、現在では24社が名乗っています。

同じ神を祀る神社の“総本社”にあたることが多く、お寺で言うところの「総本山」に近いイメージです。

出雲大社(島根県)
 大国主大神を祀る、縁結びの聖地

伏見稲荷大社(京都府)
 稲荷信仰の総本社として全国に信者を持つ
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住吉大社(大阪府)
 航海守護の神として知られ、日本三大住吉の一つ
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龍田大社(奈良県)
 風の神様を祀る神社
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以下に一覧にしました。(()内、祭神記載)

  • 出雲大社(大国主大神)
  • 熊野大社(熊野大神櫛御気野命)
  • 三嶋大社(大山祇命)
  • 富士山本宮浅間大社(木花之佐久夜毘売命)
  • 諏訪大社(建御名方神)
  • 気多大社(大己貴命)
  • 南宮大社(金山彦命)
  • 多度大社(天津彦根命)
  • 多賀大社(伊邪那岐命)
  • 建部大社(日本武尊)
  • 日吉大社(大己貴神)
  • 春日大社(春日神)
  • 龍田大社(天御柱命)
  • 廣瀬大社(若宇加能売命)
  • 伏見稲荷大社(稲荷大神)
  • 松尾大社(大山咋神)
  • 梅宮大社(酒解神)
  • 住吉大社(底筒男命)
  • 大鳥大社(日本武尊)
  • 熊野本宮大社(家都美御子大神)
  • 熊野速玉大社(熊野速玉大神)
  • 熊野那智大社(熊野夫須美大神)
  • 宗像大社(田心姫神)
  • 高良大社(高良玉垂命)


宮とは?皇室や歴史的人物を祀る神社に多い呼び名

「宮」は、皇子や皇孫など皇室の人物を祀る場合に使われることが多いですが、例外もあります。
宮の中から例を具体的に2社あげます。

鎌倉宮(神奈川県)
 後醍醐天皇の皇子・護良親王を祀る神社。紅葉の名所としても知られています。

城南宮(京都府)
 平安遷都に際し、都の守護として創建された神社。しだれ梅の名所でもあります。
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社号の歴史とその背景

神社の社号には長い歴史があります。

古代から近代まで、神社には国による“格付け”が存在していました。たとえば10世紀後半の『延喜式神名帳』では、神宮として「伊勢神宮」「鹿島神宮」「香取神宮」が、大社としては「杵築大社(現在の出雲大社)」のみが記載されています。

その後、時代の変遷とともに神社は全国に広がり、多くの社が「神宮」や「大社」「宮」を名乗るようになりました。

現在ではこうした格付けは廃止され、すべての神社は平等とされています。

「神社」「神宮」「大社」「宮」の違いとは?

それぞれの社号には、由来や祀られている神様の違いによる“基準”があります。以下に整理しました。

神社の基準

・神社は神道に基づく施設の“総称”
・特別な基準はなく、全国の神社の大多数がこれに該当

神宮の基準

・皇室の祖神や天皇を祀る
・格式が高く、全国でも限られた数のみ

大社の基準

・特定の神を祀る神社グループの総本社
・全国に24社ほどが該当。かつては出雲大社のみだった

宮の基準

・皇室関係者(皇子・皇孫など)を祀ることが多い
・例外も多く、歴史的人物を祀った神社でも名乗られている

例)太宰府天満宮(菅原道真公)、日光東照宮(徳川家康公)

まとめ:「神社」「神宮」「大社」「宮」それぞれの呼び方には意味がある

普段何気なく使っている「神社」という言葉も、実はその背景には奥深い意味と歴史があります。

●社号は、祀られている神様や由来によって決まる
●呼び方の違いを知ることで、参拝の際により深い理解と敬意が生まれる

気になった神社があれば、ぜひ実際に足を運んで、その背景に想いを馳せてみてください。

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