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京都南禅寺フォトジェニックスポット|蹴上ねじりまんぽ~蹴上インクライン~水路閣

京都の有名な観光スポット「南禅寺」、その中でも外せない有名スポットが「水路閣」です。

南禅寺周辺には、水路閣以外にも、フォトジェニックな有名スポット「蹴上インクライン」や「ねじりまんぽ」もありますが、実は、どれも水路閣と関連がある観光名所なのです。

今回は、南禅寺の水路閣と、その周辺の撮影スポット、それに名物料理もご紹介します!

南禅寺「水路閣」

南禅寺と言えば、忘れてはいけないのが、2時間サスペンスドラマに欠かせない「水路閣」です。

水路閣は、「琵琶湖疏水(びわこそすい)」が、通る水道橋です。

要するに、琵琶湖の水を京都へと引いた道の一部が南禅寺の境内を通過しているということです。

「疎水」とは、給水や発電などのため土地を切り開いてつくられた水路のことです。

明治21年に建設されました。

もともとは、山の中を通す計画でしたが、トンネル予定地に天皇家の分骨があることがわかり、計画が変更となったのだそうです。

天皇家の分骨があるとは、京都らしい計画変更です。

水路閣の全長93.2メートル、幅4メートル、高さは9メートルあります。

水路閣の役割

それでは、水路閣はなぜ造られたのでしょうか?


明治時代、都が東京に移り人口も激減、京都市民は京都の地位低下をおそれました。そこで、京都市機能の再生を願って施工された計画のひとつが水路閣でした。


水路閣を造る目的は、運輸や動力源、飲料水の確保などでした。
また、琵琶湖疎水を利用して京都の蹴上(けあげ)に水力発電所が建てられました。

この水力発電の電力を使って、京都に日本で最初の電車が走ったのです。これにより、京都は急速に近代化し、京都復興に大きな役割を果たしました。

水路閣の橋脚のアーチを写真で見ると、永遠に続いているかのように見えます。

このアーチの連続が絵になると、フォトジェニック撮影スポットとなっていて、いつ訪れてもアーチの間に立って写真を撮っている人がいます。

水路閣は、モニュメントとして建っているだけではなく、今でも毎秒2tの水が流れ京都市民の生活を守っています。

水路閣の右に階段があり、登ると実際に疏水の流れを見ることができます。

建設当初は「景観を害するのでは」と反対の声もあったそうですが、寺院の中にある古代ローマを思わせる洋風レンガ造りのアーチ橋は不釣り合いのようですが、実際のところ禅寺の侘びた趣にしっくりと馴染み、なくてはならない存在感を醸し出しています。

琵琶湖疎水は、滋賀県から京都へと流れる水路です。

長い距離を流れる水路の間には、琵琶湖疎水を含めた観光スポットがいくつもありますよ!

大津や山科でも、琵琶湖疎水と社寺を散策できるコースをご紹介していますので、参考にして下さいね。

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蹴上(けあげ)インクライン

こちらが、蹴上インクラインです。

南禅寺の参道を出てすぐの辺りにあります。

インクラインの両側には、ソメイヨシノや山桜が並び、花見のシーズンになると花見をする人や、フォトジェニック撮影スポットとして撮影する人が訪れる場所となっています。

写真は、桜の花は散っていましたが、新緑の綺麗な時期で着物姿で撮影を楽しむ人がたくさんいました。

インクラインとは

蹴上インクラインは、傾斜鉄道跡です。
 
明治24年から昭和23年かけて活躍したインクラインは、現在は京都市の文化財に指定されています。

琵琶湖から京都へと水を運ぶ「琵琶湖疏水」は、明治に竣工された人口の運河で、その水は現在でも、水力発電やかんがい、工業用水、飲料水などに使われてます。

「琵琶湖疏水」の完成当初は、人や物資を船で運ぶ水上交通路「舟運(しゅううん)」としても重要な役割を担っていました。

蹴上インクラインは、琵琶湖疏水の舟運ルートの一部で、高低差約36メートルと落差の大きかったこの場所は、台車に船をのせて傾斜を運行していたのです。

敷地幅22メートル、全長640メートルで、当時としては世界最長クラスの傾斜鉄道で、勾配は15分の1、運転の巻き上げ機の動力は、すぐそばにあった蹴上発電所から供給していました。

昭和になり鉄道などの輸送機関に押されて廃止となり一度線路は撤去されましたが、産業遺産として保存が決まり、現在の線路は復元されたものです。

蹴上ねじりまんぽ

蹴上インクラインにそって地下鉄蹴上駅に向かって歩くと、「蹴上ねじりまんぽ」があります。

上の写真が「ねじりまんぽ」です。


見た目は、レンガ造りのレトロ感のある普通のトンネルでが、実は少し変わったトンネルなんです。

ねじりまんぽ とは

「ねじりまんぽ」とは、レンガを組むときに、耐久性が上がり大きな負荷に耐えられるよう、通常のレンガを積み重ねるのではなく、ねじらせて組み上げていく組み方のことです。

そのためトンネルの中に入るとわかるのですが、壁は螺旋状にねじれて、奥に向かって渦を巻いているかのように見えます。

実は、ねじりまんぽの上には、先ほど紹介した蹴上インクラインが通っています。

インクラインを台車に乗った船が通っていたため、その重さに耐えられるようトンネルの壁の構造を斜めに組んだのです。

耐久を考えて、トンネル自体もインクラインと直角ではなく、斜めに掘られています。

ねじりまんぽの「ねじり」は言葉通りねじれで、「まんぽ」はというと、京都や滋賀の方言で「小さいトンネル」のことを言うのだそうです。

トンネルの上の「雄観奇想(ゆうかんきそう)」の文字が、とてもいい感じです。

この字は、粟田焼で琵琶湖疏水を開通させた北垣国道(きたがきくにみち)京都府知事によるものだそうで、「素晴らしい眺めと優れた考え」との意味なのだそうです。

トンネルをくぐった南禅寺側には『陽気発処(ようきはっするところ)』、「精神を集中して物事を行えば、どんな困難にも打ち勝てる」という意味の文字があります。

ちなみに、蹴上が有名ですが、実は他の場所にも「ねじりまんぽ」はあり、日本に現存する「ねじれまんぽ」は、約30か所といわれています。

なんと!その内の約7割が、近畿地方、特に旧東海道本線に数多く現存しています。

南禅寺といえば“湯豆腐”

見どころや撮影スポットが多い南禅寺ですが、南禅寺といえば門前名物「湯豆腐」もお楽しみのひとつです。

上質な地下水に恵まれ豆腐作りに適していた上に、精進料理にも欠かせなかった豆腐と、出汁文化が交わり湯豆腐が名物として発展したのだそうです。

お豆腐のなめらかだけど崩れないほど良い堅さが、絶品で是非一度味わってみていただきたいです。

南禅寺の門前には、湯豆腐の店が軒を連ねていますよ。

アクセス

アクセスは、南禅寺へのアクセスと同様、市バスの場合、最寄りの停留所は「南禅寺・永観堂道」です。

春や秋の観光ハイシーズンにはバスは混み合いますので、渋滞や混雑の心配のない地下鉄の利用がおすすめです。

電車で地下鉄東西線「蹴上(けあげ)駅」下車してすぐの場所にねじりまんぽがあります。

地下鉄蹴上駅からねじりまんぽをくぐると、南禅寺への近道となります。

桜満開の時期の蹴上インクラインは、いちめん桜で綺麗ですが、その分人も多く、なかなか写真が撮りにくいのが難点、それでも、そこには季節を問わず爽快な風景が広がっています。

まっすぐのびる線路の上で、ノスタルジックな一枚を撮りにお出かけしてみてはいかがでしょう。

「南禅寺」詳しくはこちら

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