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豊臣秀吉ゆかりの地「大坂の陣の発端となった釣鐘」がある【方広寺】

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【夫婦でお参り】のHOKI & MIYUです。

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京都東山の豊臣秀吉が祀られている豊国神社の側に「方広寺」という小さなお寺があります。

方広寺は、多くの有名な神社仏閣がある京都の中では、知名度が低いお寺ですが、実はここにある大きな鐘は、重大な歴史的事件のきっかけとなった鐘なのです。

今日は、京都の方広寺と釣鐘の歴史についてお届けします。

豊臣秀吉ゆかりの地「方広寺(ほうこうじ)」

方広寺は、京都市東山区にある天台宗の寺院です。

小さなお寺ですが、豊国神社の隣にあり豊臣秀吉ゆかりの地として多くの参拝者が訪れます。

方広寺の歴史

方広寺は、1567年に松永久秀によって焼き討ちとなった、奈良東大寺の大仏に代わる大仏を安置するために豊臣秀吉が創建した寺院です。

完成した大仏殿は、南北88m、東西54m、高さ49mという巨大な建物で、そこには東大寺の大仏よりも大きい高さ約19メートルの木製金漆塗座像が安置されました。しかし安置された大仏は、安置から一年後に京都を襲った慶長大地震によって、倒壊しています。

大仏開眼供養を待たずして亡くなった秀吉の意志を継いだ豊臣秀頼によって、金銅製の大仏が江戸時代になって完成しています。

残念ながら、その後も大仏殿と大仏は焼失と再建を繰り返し、現在大仏殿はありません。当時と変わらぬ姿を見ることができるのは、方広寺への入口付近に残っている大きな石垣の一部のみになっています。

この大仏殿の名称は、創建当時から江戸初期にかけての文献には残されていません。当時はただ「大仏」とのみ呼ばれていたようで、「方広寺」と呼ばれるようになった時期や経緯は不明となっています。

方広寺の大仏殿の柱にも穴があった⁉

東海道五十三次で有名な弥二さん喜多さん「東海道中膝栗毛」の中に方広寺の大仏殿の話があります。

大仏像を見つけ御堂へ入って行った。

中には金箔で美しく彩色された高さ19mの大仏があった。豊臣秀吉が奈良の大仏に負けない大仏を造らせたとされ、二人は「手のひらに畳が八畳敷ける」「鼻の穴から傘をさして出られる」と驚いた。

さらに穴の開いている御堂の柱を見つけ、弥次さんがくぐり抜けようと試みるが、脇差しのつばがつっかえて抜けなくなったという。

なんと!

奈良東大寺の大仏の代わりとなる大仏を創っただけではなく、東大寺の大仏殿と同じく、通り抜けの穴が開いている柱まで同じように造っていたのがわかります。

方広寺の梵鐘

方広寺の梵鐘は、「奈良の東大寺」「知恩院」とともに、日本三釣鐘(重要文化財)に指定されています。現在は日本三釣鐘にまでなっている梵鐘ですが、実は豊臣家滅亡後、明治時代に鐘楼が再建されるまで、現在の京都国立博物館のあたりで野ざらしになっていたのだそうです。

その大きさは、高さ4.2m、外径2.8m、厚さ0.27m、重さ82.7tもあります。

1612年に京都三条釜座鋳物師、名越三昌らによって創られ、当時のままで残されています。

豊臣家滅亡のきっかけ「大坂の陣」の発端となった「鐘」

豊臣秀吉は、大坂の陣から3年後に滅亡しますが、この大坂の陣が起こる発端となったのが、ここ方広寺の梵鐘です。

この梵鐘に彫られた銘文の中の「君臣豊楽」「国家安康」という文字を見た家康が、「家康の名前を分断して豊臣を君主とするものだ」と難癖をつけます。

これが大坂冬の陣の引き金となったといわれ、方広寺鐘銘事件と呼ばれています。

アクセス

住所:京都市東山区正面通大和大路東入茶屋町527-2

市バスで「博物館三十三間堂前」で降り北に歩いて5分ほど、豊国神社を通り過ぎるとすぐです。

京阪電鉄でも七条駅から歩いて約8分、清水五条駅からは歩いて約10分です。

同じく豊臣秀吉のゆかりの地である豊国神社とあわせて参拝したいお寺です。

今日は、方広寺をご紹介しました。

今はとても小さなお寺ですが、当時はいまと比較にならない広さで、三十三間堂や法住寺、養源院なども方広寺の境内だったそうです。

そして方広寺は、坂本龍馬が「蝦夷地の開拓」計画の実現のために潜伏して議論を重ねた場所で、坂本龍馬と妻お龍の馴れ初めの地でもあります。

多くの歴史に触れる参拝の旅をしてみるのもいいですね。

それでは、また。

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