寺院

楽しいお顔の阿羅漢1200体に会える“千二百羅漢の寺” 愛宕念仏寺

京都の人気の観光地、嵯峨野をさらに山へと上った奥嵯峨野に「愛宕念仏寺」と言う小さなお寺があります。

ここには、色んなお顔の阿羅漢が約1200体もいらっしゃって、訪れた参拝者を楽しませてくれます。

今回は、かわいくて、でもちょっと不思議な愛宕念仏寺をご紹介します。

愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)の歴史

愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)は、京都の嵯峨野にあるお寺で、別名を千二百羅漢の寺とも呼ばれています。

天平神護2年(766年)、称徳天皇が六波羅蜜寺の近くに愛宕寺を創建したのが始まりと伝わっています。

山城国愛宕郡に初めて建てられたお寺だったことから寺名が付けられたと言われています。

その後、興廃を繰り返し、1922年(大正11年)に本堂の保存のために現在場所に移築・移転されましたが、1950年(昭和25年)のジェーン台風で大きな被害を受けて廃寺となりました。

1955年(昭和30年)、天台宗本山延暦寺から再興を命じられ、1980年(昭和55年)には、本格的に境内の復興に取り掛かかっています。

阿羅漢(あらかん)

阿羅漢(あらかん)とは、

修行僧の終着点、最高の悟りを開いた聖者のことで、仏教によって得られる「智慧の全てを悟った」とされる最高の位の修行僧のことです。

愛宕念仏寺の阿羅漢

1981年(昭和56年)から一般の素人の参拝者が、羅漢像を彫って奉納する「昭和の羅漢彫り」が始められ、阿羅漢像が並ぶようになったのだそうです。

山門を入ると、山の傾斜には阿羅漢の石像が出迎えてくれます。

笑っていたり、お祈りしていたり、穏やかな顔をしていたり、一体一体の表情の違いが面白くて夢中で見てしまいます。

始まった時の目標は、500体だったのですが、10年後には1,200体にもなったのだそうです。

本堂には、ご本尊の厄除け十一面千手観世音菩薩様が祀られています。

地蔵堂のまわりにも、阿羅漢像が微笑んでいます。

ふれ愛観音堂の中には、金色の観音様が安置されています。

観音様に手を触れることで、身体も心の痛みも和らげてくれると言われています。

本堂に上がるまでの山の斜面に、「三宝の鐘」があります。

三つの鐘が下がっていて、三つの音律で仏の心を伝える鐘なのだそうです。

参拝を終え出口まで、個性豊かな阿羅漢像が見送ってくれます。

石像は少し怖いような気がしてしまいますが、愛宕念仏寺の阿羅漢は、どことなく愛嬌があって微笑ましさが溢れています。

【愛宕念寺】アクセス基本情報


【愛宕念寺】基本情報

住所:京都府京都市右京区嵯峨鳥居本深谷町2-5
電話:0758651231
拝観時間:8:00〜16:30
拝観料:300円 (小・中学生 無料)
HP:http://www.otagiji.com/
アクセス:京都バス 清滝行き 62 72 92 94 「愛宕寺前」下車

京都バス「愛宕念寺前」下車すぐの場所です。

愛吾念仏寺前に停車するバスは、阪急嵐山駅やJR京都駅などから出ています。

電車の最寄り駅は、阪急嵐山駅です。

JR嵯峨嵐山駅北口からタクシーを利用すると約5分、およそ1000円で到着です。

人気の観光エリアですので、嵐山駅付近にはレンタサイクル屋さんもいくつかあります。

レンタサイクルで嵐山・嵯峨野の散策もオススメです。

ただし、坂道が多いのでレンタルする場合は、電動式自転車にした方がいいですよ!


同じ愛宕念仏寺は、「おたぎねんぶつじ」と読みます。

愛宕念仏寺の近くには、愛宕神社の第一の鳥居が建っています。

こちらは、同じ字ですが「あたごじんじゃ」と読みます。

愛宕神社は下の記事で詳しくご紹介していますので、読んでみて下さいね!

関連オススメ記事


Pickup

1

2024(令和6)年は、十二支の五番目の辰年です。 ちなみに、干支の中で「辰」だけが架空の動物なんですよ。 そんな「辰(龍)」は、中国では権力の象徴で縁起のよい生き物とされて、日本でも龍にまつわる神社 ...

2

今では全国各地で行われている「七福神巡礼」ですが、実は京都が発祥の地と言われていて、古くから⾏われていました。 特に新春に巡拝すると「七難即滅、七福即⽣極まりなし」といわれ、功徳が⼤きいとされています ...

3

正月飾りやお守り、お札などを燃やす火祭り行事「どんど焼き」 今回は、地域によっては「とんど」「左義長」とも呼ばれる「どんど焼き」の意味、地域による呼び方や内容の違いなど「どんど焼き」にまつわる豆知識を ...

4

京都には、パワースポットがたくさんあります。 そんな中から今回は、縁結び&恋愛成就パワースポットと言われる神社を8社厳選してご紹介します。 ご紹介する神社はどれも、京都を堪能できる場所にありますよ! ...

5

“龍”といえば、水を司る神さまとして崇められてきた歴史があるため、龍神様を祀る神社を思い浮かべる方も多いと思います。 また、仏教では龍が守り神と言われ、お寺では古くから襖や天井に“龍”が描かれ大切に守 ...

6

金色に輝き住宅街でかなり目立つ鳥居をくぐって参拝する「御金(みかね)神社」 京都で最強とも言われる金運パワースポットとして有名な神社です。 金運UPを願う参拝者が多く、境内にはお金にまつわる願いが書か ...

7

京都のお土産の定番のひとつ「阿闍梨餅(あじゃりもち)」、 今では、全国の百貨店やお取り寄せもできる人気の和菓子ですが、阿闍梨餅は和菓子の名前で、お店の名前ではないのをご存知ですか? 今回は、京都の「満 ...

8

京都の有名観光スポットの一つ「八坂神社」京都の祇園を守り続けてきた神社です。 八坂神社は、街のシンボル的存在でもあり「祇園さん」という呼ばれ親しまれています。 とくに縁結びと美容にご利益があると言われ ...

9

神奈川県に、全国で唯一八方除(はっぽうよけ)の御神徳があると言われている神社があります。 初詣には、三が日で約50万人が訪れる寒川神社は、参拝者が後を絶たない人気の神社です。 今回は、寒川神社の見どこ ...

10

東京都港区赤坂に鎮座する「赤坂氷川神社」は、東京十社の1つで、約一千年の歴史を持つ神社です。 厄除けのご利益や特に「縁結び効果絶大!」と、良縁を祈願する女子の聖地にもなっています。 今回は、そんな赤坂 ...

11

福岡市博多区の「櫛田(くしだ)神社」、お櫛田さんと呼ばれ親しまれている博多の総鎮守です。 7月の博多祇園山笠や10月の博多おくんちなど、多くのお祭りで賑わう神社です。 そんな櫛田神社の節分大祭は、巨大 ...

12

神戸の繁華街、三宮駅からすぐの場所に鎮座する生田神社。 縁結びのパワースポットとしても有名な生田神社を囲むように「一宮」から「八宮」までの数字がついた神社が鎮座しているのをご存じでしょうか? この一宮 ...

13

お正月三が日が過ぎ1月7日に食べる「七草粥」は、平安時代にはあったと言われています。 その風習は今も受け継がれ、スーパーに並んだ春の七草を買い求める姿も多く見かけます。 そんな七草粥ですが、京都伏見に ...

14

私が御朱印をいただきだした頃は、御朱印はそんなに世に知れ渡っている存在ではありませんでした。 今は、どこに行っても必ず自分たち以外にも、御朱印をいただく参拝者の方に出会います。 すっごく若い方や外国か ...

15

お寺や神社、お墓へ行き拝んだりお祈りすることを「おまいり」といいますね。 この「おまいり」を漢字で書くと、「お参り」と「お詣り」の二通りの書き方があります。 字は違うけど、何が違うのか良くわからないと ...

16

弘法大師の霊場を辿る四国八十八か所のお遍路は、日本の中でも最も有名な巡礼となっています。 今回は、全行程1,450キロメートルある「四国八十八ヶ所霊場巡拝」のまわり方、順番について、解説していきます。 ...

17

全国に約900社ある愛宕神社(あたごじんじゃ) その総本社は、京都の愛宕山の山頂に鎮座しています。 標高924mの山頂に鎮座しているため、いつか参拝したいと思いつつ、なかなか訪れることができなかった京 ...

18

弘法大師の霊場を辿る四国八十八か所のお遍路は、日本の中でも最も有名な巡礼となっています。 今回は、全行程1,450キロメートルある「四国八十八ヶ所霊場巡拝」のまわり方、順番について、解説していきます。 ...

19

国内外を問わず、多くの人に人気の京都は、名所も多くて訪れたら、あちこち行きたくてどこに行こうか迷いますよね。 点在する観光スポットを巡る時に、バスや電車を利用する方も多いのですが、もうひとつ便利な交通 ...

20

国内外を問わず、多くの人に人気の京都は、名所も多くて何度も訪れたくなる場所です。 市内には、観光スポットが点在していて、バスや電車を利用して各地を巡る観光客の方も多いのです。 京都の観光名所を巡るなら ...

-寺院