法起寺の見どころ・歴史・アクセス|コスモスが美しい奈良の世界遺産

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奈良県斑鳩町にある法起寺(ほうきじ)は、聖徳太子ゆかりの寺院であり、日本最古の三重塔(国宝)を有する歴史ある名刹です。
世界文化遺産「法隆寺地域の仏教建造物」のひとつとして登録されており、秋にはコスモスの名所としても人気があります。

この記事では、法起寺の歴史や見どころ、参拝情報、アクセス方法まで詳しくご紹介します。

目次

法起寺の歴史|聖徳太子の遺志を継いで建立された寺

法起寺は、聖徳太子の遺志を継ぎ創建された歴史ある寺院です。
法隆寺とともに「斑鳩の里」を象徴する存在であり、日本に現存する最古の三重塔**を有することでも知られています。

聖徳太子が生きた飛鳥時代から1300年以上の時を経て、現在もその姿を残す法起寺。どのようにして建立され、どのような歴史をたどってきたのか、詳しく見ていきましょう。

聖徳太子の遺志を継いで建立された寺

法起寺の起源は、606年(推古天皇14年)に遡ります。
この地にはもともと、聖徳太子が晩年を過ごした「岡本宮」がありました。

聖徳太子が亡くなる際、子である山背大兄王(やましろのおおえのおう)に「岡本宮を寺にしてほしい」と遺言を残しました。

その遺志を受け、岡本宮は寺院へと改められ、法起寺が誕生したのです。

日本最古の三重塔が建てられた経緯

法起寺の中心的な建造物である三重塔の歴史は、聖徳太子の死後、徐々に整備されていった寺院の発展とともにあります。

  • 638年(舒明天皇10年):僧の福亮(ふくりょう)が、聖徳太子を弔うために弥勒像と金堂(本堂)を建立
  • 685年(天武天皇14年):僧の恵施(えせい)が三重塔の建立を計画
  • 706年(慶雲3年):ついに三重塔が完成

この三重塔は現在、日本に現存する最古の三重塔(国宝)として、その姿を今も留めています。

法起寺の別名とは?(池後尼寺・岡本寺)

法起寺は、かつて「池後尼寺」と呼ばれていました。これは、当初尼寺として機能していたためと考えられています。

また、寺が建てられた「岡本」の地名から、

  • 岡本寺(おかもとでら)
  • 池後寺(いけじりでら)
  • 岡本尼寺(おかもとにでら)

など、さまざまな名称で呼ばれていました。

法起寺の見どころ

法起寺には、日本最古の三重塔をはじめとする歴史的な建造物や、重要文化財に指定された仏像など、見どころがたくさんあります。特に秋には、境内を囲むコスモス畑が美しい風景を作り出し、多くの観光客が訪れます。

ここからは、法起寺を訪れたらぜひチェックしておきたい見どころを詳しくご紹介します。

見どころ①:国宝・日本最古の三重塔

法起寺のシンボルである三重塔は、国内に現存する最古の三重塔(高さ約24m)であり、国宝に指定されています。

法起寺の三重塔には以下のような特徴がみられます。

  • 飛鳥時代(706年)建立の木造塔
  • 屋根の勾配が緩やかで、東に三重塔、西に金堂を配置した法隆寺とは逆の配置となっている
  • 初重内部は土間造りで、四天柱(してんばしら)と八角の心柱を組み込んだ飛鳥時代の建築技法が見られる

池越しに眺める三重塔は、風情があり趣深い光景です。

見どころ②:重要文化財の本尊・十一面観音像

法起寺のご本尊は、重要文化財に指定されている木造十一面観音立像です。

法起寺の木造十一面観音立像には以下のような特徴がみられます。

  • 平安時代後期(10世紀後半)ごろに作られた像高3.5mの大きな仏像
  • 一般的な女性的な姿とは異なり、肩幅ががっしりした男性的な体つき
  • 奈良時代の特徴を残す、平安時代の仏像として貴重な存在

現在、収納庫に安置されており、写真撮影は禁止されていますが、法起寺の公式ページで少しだけ拝見することができます。ご覧いただくと、肩がかっしりとしている様子もお分かりいただけます。

見どころ③:江戸時代に再建された伽藍

法起寺は平安時代以降衰退しましたが、江戸時代に一部が再建され、現在の姿に至っています。

そのため、法起寺の境内には、江戸時代に再建された歴史ある建物が点在しています。

こちらは、講堂(本堂・観音堂):1694年に再建されています。

聖天堂:1863年に再建された建物です。

また、南大門・西門も江戸時代初期に再建されました。

さらに、法起寺は法隆寺、法輪寺とともに「斑鳩三塔」と称され、奈良観光の人気スポットになっています。

法起寺の秋|コスモスの絶景と見頃

法起寺は、秋になると境内周辺に咲き誇るコスモスの美しい風景で知られています。
特に、日本最古の三重塔とコスモスのコラボレーションは、まるで絵画のような光景を生み出し、多くの観光客やカメラ愛好家が訪れる人気スポットです。

ここでは、法起寺が**「コスモス寺」と呼ばれる理由**や、見頃の時期、おすすめの撮影スポットについて詳しくご紹介します。

法起寺が「コスモス寺」と呼ばれる理由

法起寺は、奈良県内でも有数のコスモスの名所として知られています。
特に秋には、寺の周囲を囲むようにコスモスが咲き誇り、壮大な景色を作り出します。

法起寺自体の境内にコスモス畑があるわけではありませんが、周囲の田園地帯に広がるコスモスが、歴史ある三重塔と見事に調和し、まるで別世界のような風景を生み出します。

また、法起寺は法隆寺・法輪寺とともに「斑鳩三塔」として知られていますが、その中でも特に、コスモスの絶景が楽しめるのは法起寺だけです。

このことから、「コスモス寺」として親しまれるようになりました。

コスモスの見頃はいつ?(10月上旬~中旬)

法起寺周辺のコスモスは、毎年10月上旬から10月中旬にかけて見頃を迎えます。
ただし、開花時期は天候や気温の影響を受けるため、年によって若干のズレがあるため、訪れる際は事前に開花情報をチェックするのがおすすめです。

コスモスの見頃情報
見頃時期例年10月上旬~10月中旬
開花状況の確認方法:SNSや観光協会の公式サイトで最新情報をチェック

コスモス畑の向こうにそびえる三重塔の風景は、まるで絵画のような美しさです。

コスモス×三重塔の絶景フォトスポット

法起寺の周囲にはコスモス畑があり、田んぼの中に咲くコスモスを前景にし、三重塔を背景にすると奥行きのある写真が撮れます。この構図で撮影すると、コスモスと三重塔の組み合わせが美しい写真が撮れます。

コスモスは法起寺の境内に咲いているわけではなく、周辺一帯にさいているため、法起寺から離れて遠くから三重塔とコスモス畑全体を収めるのがポイントです。

夕方の時間帯の撮影では、夕焼けの空を背景に三重塔とコスモスのシルエットを楽しめます。

コスモスの見頃は10月上旬~中旬ですが、撮影におすすめの時間帯は午前10時~正午。この時間帯は日差しが柔らかく、コスモスの色が鮮やかに映ります。

夕方のシルエット撮影も人気ですが、日没時間に注意しましょう。

法起寺の基本情報・アクセス

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