京都の一乗寺エリアで有名な観光スポット「詩仙堂」から、さらに急な坂道を上がって歩くこと約10分の場所に、「狸谷山不動院」があります。
今回は、たくさんの狸が出迎えてくれる山の自然に囲まれた「狸谷山不動院」をご紹介します。
階段を登ってたどり着くと、そこには京都の有名観光スポット清水寺にそっくりの本堂が!
狸谷山不動院(たぬきだにやまふどういん)参拝
「狸谷山不動院」は、桓武(かんむ)天皇が平安京の鬼門に『咜怒鬼(たぬき)不動明王』を祀ったのが起こりとされています。
明治の廃仏毀釈後、荒廃し昭和19年に再興されました。
250段の階段を上る
一乗谷の有名観光スポットの詩仙堂から、かなり急な坂道を登って、やっとの思いでたどり着き、ホッとしたいところで、見上げると、どこには永遠続くかと思う階段が…。
ここから先へは、キツイ階段を250段登ります。
この石段は、明治時代に地域のみなさんの協力で整備したものらしいです。
まずは、タヌキの出迎え!
もともと狸が置かれていたわけではなく、20世紀に入ってから自然発生的に置かれるようになり、その数はドンドン増えていったのだそうです。
現在は、タヌキが”他を抜く”というところから、芸事の上達にご利益があるとされ、スポーツ選手や芸能人などからも信仰を集めているそうです。
確かに、出迎えてくれたタヌキの横には、阪神タイガースの選手の名前が刻まれた石碑も建っていました。
階段を登る途中で発見!
朝の連続テレビ小説「おちょやん」のモデルとなった上方女優・浪速千栄子さんは、昭和30年頃、よく参拝されていたそうで、250段の階段を登る途中の石碑には、浪速千栄子の名前が刻まれています。
それでは、鳥居へ。
山の中で、木々に囲まれ苔むしていて雰囲気がありますね。
鳥居からすぐに、白竜弁財天を祀るお堂に至る鳥居が現れます。
朱塗りの鳥居が立ち並んでいます。
さらに石段を行くと、弘法大使の像や、
七福神も並んでいます。
七福神の中にタヌキもいますが…。
こちらは、光明殿です。弘法大使の木造が祀られています。
それを囲むように四国八十八箇所のお砂踏み霊場が設置されていています。
急な坂道のあとの250段の石段は、体力的にはかなりキツイものがありますが、石段の途中には、タヌキが段数をカウントしてくれていたり、見どころも多く、山の緑も美しいので案外楽しみながら上ることができますよ。
狸谷不動院の本堂は清水寺そっくり!?
石段を上り、いよいよ本堂へ!
目の前に現れたのは「あれ?清水寺?」と言いたくなるほど清水寺そっくりの本堂です。
この本堂は、清水の舞台と同じ懸崖造り(けんがいづくり)で建てられているため、そっくりに見えるのも無理はないのです。
狸谷を開山するきっかけとなった、修行のための洞窟があった山の斜面に不動明王像を設置し、その本尊を祀るために、周りに舞台を組んで、本堂が造られたといいます。
本堂に祀られている、鬼をも叱ると言わしめる程の厳しい表情の不動明王は悪霊・難病退散のご利益があるということで、本堂前にはたくさんの願掛け札が奉納されています。
願掛け札には、人の形が書かれていて、体の悪い部分を丸で囲むようになっています。
たどり着くまでに、急な坂道やキツイ階段を上っただけあって、本堂からは、京都市内が一望できますよ!
京都で交通安全祈願と言えば「狸谷山不動院」
実は、京都市内を走っている車を見ていると、ここ狸谷山不動院の交通安全祈願のステッカーを貼っている車がかなり多いです。
それくらい京都市民にとって狸谷山不動院は、交通安全祈願でおなじみの場所でもあります。
交通安全祈願をされる方は、本堂まで上がる必要はありません。
石段までくる途中の坂道に大きな交通安全自動車祈祷殿があります。
ここでは年間1万台近い自動車の祈祷を行って、京都だけではなく、近畿圏一円から来る方も多く、車関連の企業の参拝・祈祷も多いのだそうです。
自転車などにも貼ることができるステッカーですので、「狸谷山不動院」に参拝したのなら、お守り代わり交通安全ステッカーをいかがでしょうか。
ちなみに、交通安全自動車祈祷殿の側に「修行の瀧」の標石がありますが、宮本武蔵が修行した滝があったそうです。
現在は、枯れていて滝行はできなくなっています。
アクセス
住所:京都府京都市左京区一乗寺松原町6
公共交通機関:叡山電車「一乗寺駅」から徒歩約20分、市バス「一乗寺下り松町」から徒歩約15分です。
駐車場がありますが、250段の階段は避けられません!
市バスのバス停から15分と聞くと、なめてしまいそうなので付け加えておくと、詩仙堂を過ぎ、八大神社を過ぎたあたりから、急激に坂の角度が変化します。
今回の参拝は、レンタサイクルで社寺めぐりをしたのですが、途中から自転車をこいで登り切るのは不可能な坂道が続きます。正直、自転車を押しながら進むのもやっとでした。
とはいえ、自然を満喫しながら250段の階段を上るのは、心にも体にもいいですし、その分本堂からの景色が楽しめること間違いありません!