古くから日本にある「おみくじ」、神社やお寺に参拝したら、必ず引くと言う方も多いのではないでしょうか?
でも、内容をじっくり読まずに、大吉や凶と言う文字を見て一喜一憂するだけになっていませんか?
今回は、そんな「おみくじ」について、「占いと違う?」「何回も引いていい?」「吉凶の順は?」「おみくじを引いた後どうすればいい?」などなど、疑問を分かりやすく解説していきます!
目次
おみくじと占いは違う?
そもそもなのですが、「おみくじ」と「占い」って違いはあるのでしょうか?
未来のことを教えてもらう見せてくれるという意味で、似ているけれど、同じではないような気はしますよね。
まずは、おみくじと占いについて、ご説明します。
おみくじとは
おみくじは、もともとは政(まつりごと)を決めるときなどに、神さまのご意思を伺うために行われていた「くじ引き」が始まりとされています。
そのくじが、現在のような個人の運勢を占う形へと変化していったのが「おみくじ」です。
もともと神様のご意思を伺うののため、自分で選んだおみくじには「神様から自分へのメッセージが込められている」と言うことになります。
占いとは
「占い」は、自分を占ってくれる人が居て、初めて成り立ちます。
様々な方法、四柱推命やタロットカード、姓名判断、水晶占いなどを使って、運勢について判断や予言するのですが、そこには占ってくれる人(占い師)の直感なども加味されて、人生相談的な色合いが強くなることもあり、話術にたけた占い師に人気が集まることも多いようです。
話を聞いてもらうことで、気持ちを和らげてもらうと言う意味では、占いは一種のカウンセリングとも言えるかもしれませんね。
おみくじと占いの違いは?
それでは、おみくじと占いは何が違うのか?
詳しくみていきましょう。
違い①:発祥
まず、おみくじと占いで大きく違うのは、発祥です。
日本のおみくじは、南北朝時代から室町時代の初頭ごろに、比叡山延暦寺の中興の祖といわれる元三大師が、中国から入ってきた「天竺霊籤(てんじくれいせん)」をもとにつくった「元三大師百籤(がんざんだいしひゃくせん)」がはじまりと言われています。
この元三大師百籤が広がっていき、たくさんのお寺で使われるようになると「みくじ本」と呼ばれるおみくじの解説書までできたのだそうです。
武士は、お寺のおみくじを引いて、戦の行方を占っていたと言われています。
一方の占いですが、日本では古墳時代以前には、既に占いが行われていたと言われています。中国から伝わってきたとされる占いで、鹿の肩甲骨を焼いて、骨に入ったひび割れの入り方で占いをしていたのだそうです。
そこからさらに発展し、平安時代にはかの有名な陰陽師が誕生します。
陰陽師は、国の役所に属していて、言わば公務員のような立場で、風水や占星術などを使い、災いや厄を祓う祈祷や都の魔を封じたり、願掛けや呪術などを行っていたのです。
違い②:占う人
おみくじの特徴は、自分で自分のことを占うということです。
誰かに対して、生年月日などの自分の情報を伝えることなく、自分で気軽にできるのがおみくじで、今の自分への神様からメッセージをいただきます。
占いは、第三者によって行われます。
占い師と呼ばれる、占ってくれる人がいないと占いは成立しません。
違い③:運or統計
おみくじは、引いて出てきたものが「答え」です。
いわゆる「神頼み仏頼み」運任せといったところで、自分のその時の運によって、運勢を見ていると言う感じです。
占いは、色んな術を使を使うことで、その人の悩みなどに統計学ベースで答えを導いていきます。
神社とお寺のおみくじに違いはある?
もともと日本には、日本元来の信仰(神道)がありました。
そこに、仏教が伝来し、神道と仏教がお互いに影響し合うようになりました。この時期の考え方が「神仏混合」です。
ところが江戸時代に入ると、日本本来の信仰を明らかにしようと神社からお寺を排除しようとしました。これが「神仏分離」です。
詳しくは下の記事でご紹介していますので、ご参考までに。
この神仏分離のお達しがでたことで、神社とお寺はわけられました。
その際におみくじにも違いが生まれたようです。
神社で引くおみくじには「和歌」が、お寺で引くおみくじは「漢文」が書かれているのがその違いです。
とは言え、
現在のおみくじは、その社寺によってさまざまで、文章や形態もそれぞれ違っているため、今では神社では「和歌」が、お寺では「漢文」が書かれていることが多いぐらいの違いになっています。
おみくじ「吉凶」について
おみくじを引くと、まず目が行くのが「吉凶」が書かれている部分ですね。
そもそもおみくじの「吉凶」の種類ってどれぐらいあるのでしょうか?
「吉凶」の種類ってどれぐらいある?
おみくじに書いている「大吉」や「凶」の文字、いったい何種類あるのでしょうか?
基本の種類は、「大吉」「吉」「中吉」「小吉」「末吉」「凶」の6種類、そこに「大凶」が加わった7種類が一般的になっています。
でも、ほかにも見たことのない種類が出てきて驚いたことありませんか?
珍しいところをご紹介しましょう。
「吉凶未分」これ「よしあしいまだわからず」と言い、運勢がどう動くか定まっていない状態ですよ~と言うことのようです。
なんとも微妙ではありますが、運勢が定まっていないからこそ、これからの自分も行動や思いがけ次第でよくなると言うことではないでしょうか。
ちなみに、埼玉の氷川神社は、吉凶の種類が多いことで有名で、その数なんと「大吉」 「吉」 「吉平」 「平吉」 「小吉」 「末吉」 「平」「向吉」 「凶向吉」 「凶末吉」 「初凶末吉」 「吉凶未分」 「吉凶相交」 「凶」の14種類!
すごいですよね。
吉凶「運勢」の順番は?
日本全国にある約8万社の神社を包括している「神社本庁」が公表している順番は、
大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶
となっています。
ただし、神社やお寺によっては、吉よりも中吉の方が良いと言うところなどもあり、おみくじを扱っている神社仏閣によって順番が違うこともあります。
さきほどご紹介した埼玉の氷川神社は、14種類もの吉凶がありますが、運勢に順番はつけていないのだそうです。
出た運勢の順番が気になる方は、そのおみくじを引いた神社やお寺で直接聞くことをおすすめします。
でも、おみくじは神さま仏さまからのアドバイスやメッセージを受け取ることが大切なもの、吉凶ばかりに気を取られないようにしましょう。
おみくじって何回引き直してもいい?
おみくじを引いて、悪い運勢や望み通りの運勢ではなかった時って、テンション下がってもう一回引き直そうかなって思いますよね。
でも、その場で何回も引き直すのはおすすめできません。
おみくじは神様からの大切なメッセージです。
それを何度も引き直すというのは神様に対して「神様の言っていることを信用していないですよ」と言っているようなもので、すごく失礼なことです。
でも例えば、
恋愛の運勢を知りたくて「この一年で良い人との出会いがありますか?」と願いながらおみくじを引いたあと、仕事や受験など別の願いを込めて、もう一度引くのは、引き直しにはならないため失礼には当たりません。
ただし、その場合でも、連続で引くのではなく、別の神社やお寺に行って引いたり、日を改めた方がいいでしょう。
思っていたような良い結果を期待する気持ちは分かりますが、おみくじは神様からの大切なメッセージですので、考え方によっては良いも悪いもないはずです。
神様からのアドバイスをどうとらえて、どう前向きに活かしていけるかが重要なのではないでしょうか?
おみくじは結んで帰った方がいい?
おみくじを引いて、神様からの助言を受けたあとの「おみくじ」は、悪かったら結ぶとか良かったら持って帰るとか聞いたことはあるけど、いったいどうするのが正解なのでしょうか?
実は、特に決まりはありません。
ただ、多くの方が境内のおみくじ奉納所におみくじを結び付けて帰ります。
これは、凶や良くない結果のおみくじを掛けに結んでいくと「凶返し」が出来るとされているためです。
おみくじを「結ぶ」のはなぜかと言うと、神様とのご縁を「結ぶ」という縁起の良い事だからです。
何事も自分自身の努力が大切ですが、神様とのご縁を結ぶことほど、気持ちの上で強い味方になってくれることはないですよね。
また、結ぶということは神様との縁を結ぶことなので、良い結果のおみくじも結んで帰ってもいいんです。
もちろん、良くても悪くても結ばずに持って帰っても構いません。
おみくじには、より良い方向に向かうための神様からのアドバイスが書かれています。
忘れないように日々の指針として定期的に見直すためにも、持って帰って手元に置いておいてもいいのです。
結んで帰る場合は、境内にある木どれにでも結ぶのではなく、結び所に結んで帰るようにしましょうね。
大切なのは自分がどうするか
神社やお寺でおみくじを引く前に、まずは神様仏様に挨拶の参拝をしましょう。
おみくじを引く時には、どんな願いについて運勢を聞きたいのか、アドバイスが欲しいのかを心の中で願いながら引くことです。
そして、「吉凶」の良し悪しで一喜一憂することなく、おみくじの内容を読み、神様からの助言を胸に刻んで願いが叶うよう夢に向かって努力を惜しまず進むことです。
私は、初詣で引くおみくじが、毎年「凶」で、またどうせ凶だろうなと思うようになり、おみくじを引かなくなりました。
でも、最近は「こういうことをしたいな」とか「こうなりたいな」と言う思いが浮かんだ時には、おみくじを引くようになりました。
今年の初詣の結果は、吉凶は悪くなかったのですが、内容を読むと厳しいお言葉が書かれていて、今年はじっくりと我慢を重ねて踏ん張らなくては!と意識させていただくことができました。
結局、神様がこう言ったからや、占い師にこう言われたからではなく、自分が何を意識してどうするかが大切なんですよね。